【将棋実戦解説】
第30期竜王戦七番勝負第2局 渡辺竜王vs羽生棋聖

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目次

実戦解説動画


対局情報

棋戦
第30期竜王戦七番勝負 第2局
対局日
2017年10月28・29日
対局者
渡辺 明 竜王<先手>
羽生 善治 棋聖<後手>
対局場所
岩手県:大船渡市民文化会館
戦型
先手:矢倉
後手:雁木

局面解説概要

序盤

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で16手指した局面
雁木側が角を上がって飛車先の歩交換を防いだ場合、
矢倉側は角を引くと、▲2四歩から角交換をする権利を得ることができます。

雁木側は「3手角」と呼ばれる手筋で、角を3三→5一→7三(または8四)と
活用していくことが狙いの1つですので、矢倉側はけん制する必要があります。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で17手指した局面
先手が角を引き、後手の角の動きに制約ができたので、少し損をしているようですが、
角交換や飛車先の歩交換をされても、先攻出来れば良いという考え方です。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で34手指した局面
お互いの囲いは出来上がっていますが、
後手は玉の移動に手数がかかっていないため、先攻できます。
これが現代将棋で雁木が見直された理由の1つです。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で36手指した局面
先手が受けに回ったので、後手は急いで攻める必要がなくなりました。
陣形を整備しながら攻めるタイミングをうかがいます。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で42手指した局面
42手目の△5一角はとても味のいい手です。
△7三桂にひもを付けて△6五歩と仕掛けられるようにするだけでなく、
将来的に△4五歩と突けるようにすることも見越しています。

中盤

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で52手指した局面
後手が多少強引に仕掛けて激しくなりましたが、
後手なのに先攻している分、どうしても細い攻めになってしまいます。

そのため「飛車と角をしっかりと働かせること」と
「歩の突き捨てで争点を多く作ること」を強く意識する必要があります。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で60手指した局面
60手目の△7五歩は必ず指したい手です。
5段目まで桂を跳ねた場合、その隣の筋の歩も突いていきましょう。
この場合は、▲同歩と取ると△同銀でお手伝いとなるので尚更効果的です。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で66手指した局面
66手目の△7七桂打が本局1番のポイントでしょうか。
桂損にはなりますが、後手の羽生棋聖は6四にいる銀を前進させて
攻めに活用させれば攻めが切れなくなると判断しています。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で80手指した局面
81手目の局面で、ここは後手の攻めが一段落ついたので、
先手も攻めに転じてみたいところです。
攻めるならば▲5六桂となります。

この▲5六桂は一石四鳥の手となります。
第1に、雁木は桂で上部から押さえ込まれると受けづらくなります。
第2に、▲5六桂と打つ手は角当たりになっています。
第3に、後手の角がいなくなると▲4四桂打で金駒が手に入ります。
第4に、持ち駒に桂が2枚以上ある場合、駒台の上で眠らせておくよりは
先手で打てるときに打っておいた方が好手になる確率が高いです。

本譜は、受けの比率が高い手を指したため、
ねじり合いが続くこととなりました。

終盤

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で91手指した局面
92手目、ここは玉を2筋にかわして持ち駒を温存したいので迷います。
しかし、▲2四桂や▲3三桂打という先手からの攻めが分かりやすいので
しっかりと持ち駒を投入して受けた方が実戦的だと思います。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で104手指した局面
この△7九竜から△8八歩が決め手になったと思います。
「下段の香に力あり」と言いますが、吊り上げれば力はなくなっていきます。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で111手指した局面
111手目に、先手も▲2四桂の手筋で攻めますが、
歩が伸びてきても詰めろになりません。
雁木は、堅い囲いではないのですが、
上部からの攻めに対しては、玉の遠さが生きてきます。
後手は、攻めが切れないように持ち駒をドンドン打っていくのがポイントです。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第2局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局の投了図
128手にて、先手の渡辺竜王が投了し、羽生棋聖の2連勝となりました。
羽生棋聖の細い攻めを繋げる指し方が非常に勉強になりました。

棋譜

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棋戦:第30期竜王戦七番勝負 第2局
先手:渡辺明竜王
後手:羽生善治棋聖
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00)
2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00)
3 2六歩(27) ( 3:00/00:03:00)
4 3二金(41) ( 2:00/00:02:00)
5 7八金(69) ( 2:00/00:05:00)
6 8五歩(84) ( 3:00/00:05:00)
7 7七角(88) ( 1:00/00:06:00)
8 3四歩(33) ( 1:00/00:06:00)
9 8八銀(79) ( 1:00/00:07:00)
10 4四歩(43) (15:00/00:21:00)
11 2五歩(26) ( 6:00/00:13:00)
12 3三角(22) ( 1:00/00:22:00)
13 4八銀(39) ( 1:00/00:14:00)
14 4二銀(31) ( 1:00/00:23:00)
15 5六歩(57) ( 7:00/00:21:00)
16 4三銀(42) ( 2:00/00:25:00)
17 6八角(77) ( 3:00/00:24:00)
18 5二金(61) ( 7:00/00:32:00)
19 6九玉(59) ( 5:00/00:29:00)
20 6二銀(71) ( 3:00/00:35:00)
21 3六歩(37) ( 3:00/00:32:00)
22 5四歩(53) ( 1:00/00:36:00)
23 7七銀(88) ( 2:00/00:34:00)
24 7四歩(73) (18:00/00:54:00)
25 5八金(49) ( 3:00/00:37:00)
26 7三桂(81) ( 5:00/00:59:00)
27 3七銀(48) ( 6:00/00:43:00)
28 4一玉(51) (15:00/01:14:00)
29 6六歩(67) ( 4:00/00:47:00)
30 6四歩(63) ( 9:00/01:23:00)
31 6七金(58) ( 1:00/00:48:00)
32 5三銀(62) ( 7:00/01:30:00)
33 7九玉(69) (56:00/01:44:00)
34 6二飛(82) (11:00/01:41:00)
35 4八銀(37) (26:00/02:10:00)
36 1四歩(13) (29:00/02:10:00)
37 3七桂(29) ( 5:00/02:15:00)
38 3一玉(41) ( 4:00/02:14:00)
39 4六角(68) (30:00/02:45:00)
40 6一飛(62) (47:00/03:01:00)
41 1六歩(17) (23:00/03:08:00)
42 5一角(33) (10:00/03:11:00)
43 8八玉(79) (11:00/03:19:00)
44 6五歩(64) ( 5:00/03:16:00)
45 同 歩(66) ( 3:00/03:22:00)
46 同 桂(73) ( 1:00/03:17:00)
47 6八銀(77) (16:00/03:38:00)
48 6六歩打 ( 4:00/03:21:00)
49 同 金(67) (31:00/04:09:00)
50 6四銀(53) ( 1:00/03:22:00)
51 6七銀(68) (12:00/04:21:00)
52 8六歩(85) (59:00/04:21:00)
53 同 歩(87) ( 0:00/04:21:00)
54 4五歩(44) ( 0:00/04:21:00)
55 6八角(46) ( 0:00/04:21:00)
56 3三角(51) ( 0:00/04:21:00)
57 4五桂(37) ( 9:00/04:30:00)
58 4四角(33) ( 0:00/04:21:00)
59 4六角(68) ( 2:00/04:32:00)
60 7五歩(74) (16:00/04:37:00)
61 9八玉(88) ( 0:00/04:32:00)
62 3三桂(21) ( 4:00/04:41:00)
63 同 桂成(45) ( 1:00/04:33:00)
64 同 角(44) ( 0:00/04:41:00)
65 7五歩(76) ( 0:00/04:33:00)
66 7七桂打 ( 1:00/04:42:00)
67 4五桂打 (61:00/05:34:00)
68 4四角(33) ( 8:00/04:50:00)
69 7七桂(89) ( 6:00/05:40:00)
70 同 桂成(65) ( 0:00/04:50:00)
71 同 金(78) ( 0:00/05:40:00)
72 7五銀(64) ( 0:00/04:50:00)
73 5五歩(56) ( 0:00/05:40:00)
74 7六歩打 (42:00/05:32:00)
75 同 金(66) ( 0:00/05:40:00)
76 同 銀(75) ( 0:00/05:32:00)
77 同 銀(67) ( 0:00/05:40:00)
78 6九飛成(61) ( 0:00/05:32:00)
79 7八銀打 (21:00/06:01:00)
80 4九竜(69) ( 5:00/05:37:00)
81 5七銀(48) (10:00/06:11:00)
82 6四桂打 (18:00/05:55:00)
83 6五銀(76) (21:00/06:32:00)
84 5五角(44) ( 4:00/05:59:00)
85 同 角(46) (21:00/06:53:00)
86 同 歩(54) ( 1:00/06:00:00)
87 7五角打 ( 6:00/06:59:00)
88 6三歩打 ( 1:00/06:01:00)
89 6四銀(65) (10:00/07:09:00)
90 同 歩(63) (16:00/06:17:00)
91 同 角(75) ( 0:00/07:09:00)
92 4二銀打 ( 0:00/06:17:00)
93 5四歩打 (14:00/07:23:00)
94 6五角打 ( 4:00/06:21:00)
95 7六歩打 ( 0:00/07:23:00)
96 5四角(65) ( 0:00/06:21:00)
97 5三歩打 ( 0:00/07:23:00)
98 5一金(52) ( 7:00/06:28:00)
99 9一角成(64) (30:00/07:53:00)
100 4五角(54) ( 9:00/06:37:00)
101 5五馬(91) ( 1:00/07:54:00)
102 7九竜(49) ( 8:00/06:45:00)
103 8九香打 ( 0:00/07:54:00)
104 8八歩打 ( 0:00/06:45:00)
105 4五馬(55) ( 0:00/07:54:00)
106 8九歩成(88) ( 0:00/06:45:00)
107 同 銀(78) ( 0:00/07:54:00)
108 7七竜(79) ( 0:00/06:45:00)
109 8八銀(89) ( 0:00/07:54:00)
110 5七竜(77) ( 1:00/06:46:00)
111 2四桂打 ( 0:00/07:54:00)
112 同 歩(23) ( 8:00/06:54:00)
113 同 歩(25) ( 1:00/07:55:00)
114 8七銀打 (12:00/07:06:00)
115 同 銀(88) ( 0:00/07:55:00)
116 9五桂打 ( 0:00/07:06:00)
117 7九桂打 ( 2:00/07:57:00)
118 8七桂成(95) ( 0:00/07:06:00)
119 同 桂(79) ( 0:00/07:57:00)
120 9五桂打 ( 2:00/07:08:00)
121 7九桂打 ( 1:00/07:58:00)
122 7七金打 ( 0:00/07:08:00)
123 8八銀打 ( 0:00/07:58:00)
124 6八銀打 ( 1:00/07:09:00)
125 7七銀(88) ( 0:00/07:58:00)
126 同 竜(57) ( 0:00/07:09:00)
127 7八金打 ( 0:00/07:58:00)
128 8八金打 ( 0:00/07:09:00)
129 投了 ( 0:00/07:58:00)
まで128手で後手の勝ち


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