【将棋実戦解説】
第30期竜王戦七番勝負第4局 渡辺竜王vs羽生棋聖

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目次

実戦解説動画


対局情報

棋戦
第30期竜王戦七番勝負 第4局
対局日
2017年11月23・24日
対局者
渡辺 明 竜王<先手>
羽生 善治 棋聖<後手>
対局場所
新潟県:嵐渓荘
戦型
矢倉

局面解説概要

序盤

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で5手指した局面
最近の矢倉は、▲7七銀と早めに上がる指し方が増えています。
これは6筋で歩がぶつからないようにして、後手の左美濃急戦に対応したものです。

一方、▲6六歩と突いて▲7七銀を保留する指し方は
主に後手の右四間飛車に対応するためのものでした。

もちろんどちらも1局です。
指されなくなったからと言って悪いという訳ではありません。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で21手指した局面
矢倉の駒組みは、どちらかが角を引いたら、それに合わせて
もう一方も角を引いておけば間違いありません。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で27手指した局面
先手が▲6八玉と指して、早囲いを目指してきました。
後手は、3二に金を上がってしまったので、早囲いにできません。

このまま金矢倉に囲っていると、後手番なのに、さらに1手後れてしまい、
先手の攻めを簡単に許してしまうことになります。

早囲いは玉が上がって角の利きが止まった瞬間だけ反撃できません。
仕掛けても後手が良くなるという訳ではないのですが、
消去法で考えると、ここで動いた方がいいと思います。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で34手指した局面
後手は、32手目と34手目に、わざわざ2手かけて△4二まで角を引きましたが、
先手に▲6五歩と突かせたことがポイントです。

将来、角交換になった時、△3九角と打って飛車をいじめながら
馬を作る手順を狙っています。

これが結果として先手からの棒銀の攻めをけん制しています。

中盤

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で42手指した局面
43手目の局面、後手の角が先手の飛車をにらんでいるのが気になります。

次に△3六歩 ▲4六銀 △4五歩となると部分的には困るので、
常に気を付けなければいけない変化です。

しかし、▲6五歩 △7三角 ▲7四歩のように
先手で相手の角を追える場合は大丈夫です。

本譜は▲4六角として角をぶつけましたが、
▲4四角として角交換を避ける手も十分にありました。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で47手指した局面
48手目の局面、後手としては、△3九角を見せながら、
6筋や7筋に歩を打って先手の金銀を乱します。

金と銀が横に並んでいる形は
銀の頭に歩を打っておけば、どう応じても1手では元に戻れません。

自分が歩切れにならないか、相手が歩切れでない状況ならば、
とりあえず打っておいて損のない手です。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で58手指した局面
58手目の△3四角はとてもいい手です。
「角筋は受けにくし」「玉の守りの金を攻めよ」という格言通りで
次の△6六歩や△7七銀が非常に厳しくなっています。

尚、単に△7七銀と指してはいけません。
後手は、飛車・角・銀の3枚の攻めなので戦力不足です。
拠点がなくなってしまったら、先手玉を捕まえることができなくなってしまいます。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で65手指した局面
66手目は手拍子で△同桂成と取ってはいけません。
拠点がなくなりますし、金が縦や横に2枚並ぶ形は非常に守備力が高くて厄介です。

終盤

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で74手指した局面
74手目の局面で後手は金を2枚手に入れることに成功しました。
しかし、桂や香がないので、先手にガッチリ受けられてしまうと
攻めが大きく遅れてしまいます。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で84手指した局面
先手に受ける暇を与えず、駒を少しずつ補充しながら拠点を増やし、
「玉は包むように寄せよ」という格言のお手本のような手順になりました。
この一覧の流れは、是非、棋譜を並べてみてください。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で94手指した局面
94手目の△6八飛が最後の決め手となりました。
これで先手玉は必至です。

後手玉は詰みませんが、1手間違えると詰んでしまう筋はあります。
しかし、どんなに怖くても持ち駒の金を合駒に使ってはいけません。

【将棋】第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局の投了図
104手にて、先手の渡辺竜王が投了し、渡辺竜王の1勝、羽生棋聖の3勝となりました。
羽生棋聖の細い攻めを繋げる技術が非常に勉強になりました。
羽生棋聖は永世7冠まであと1勝です。第5局も見逃せませんね。

棋譜

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棋戦:第30期竜王戦七番勝負 第4局
先手:渡辺明竜王
後手:羽生善治棋聖
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 1:00/00:01:00)
2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00)
3 6八銀(79) ( 3:00/00:04:00)
4 3四歩(33) ( 2:00/00:02:00)
5 7七銀(68) ( 2:00/00:06:00)
6 6二銀(71) ( 3:00/00:05:00)
7 2六歩(27) ( 2:00/00:08:00)
8 4二銀(31) ( 3:00/00:08:00)
9 2五歩(26) ( 3:00/00:11:00)
10 3三銀(42) ( 4:00/00:12:00)
11 4八銀(39) ( 2:00/00:13:00)
12 3二金(41) ( 5:00/00:17:00)
13 5六歩(57) ( 2:00/00:15:00)
14 5四歩(53) ( 1:00/00:18:00)
15 5八金(49) ( 4:00/00:19:00)
16 4一玉(51) ( 6:00/00:24:00)
17 6六歩(67) ( 1:00/00:20:00)
18 7四歩(73) (28:00/00:52:00)
19 6七金(58) ( 1:00/00:21:00)
20 3一角(22) ( 1:00/00:53:00)
21 7九角(88) ( 7:00/00:28:00)
22 5二金(61) ( 3:00/00:56:00)
23 3六歩(37) (14:00/00:42:00)
24 4四歩(43) ( 9:00/01:05:00)
25 3七銀(48) (11:00/00:53:00)
26 8五歩(84) (37:00/01:42:00)
27 6八玉(59) (17:00/01:10:00)
28 7五歩(74) (22:00/02:04:00)
29 同 歩(76) ( 8:00/01:18:00)
30 同 角(31) ( 0:00/02:04:00)
31 7八玉(68) ( 0:00/01:18:00)
32 6四角(75) ( 0:00/02:04:00)
33 6五歩(66) (64:00/02:22:00)
34 4二角(64) (24:00/02:28:00)
35 3五歩(36) ( 9:00/02:31:00)
36 同 歩(34) (47:00/03:15:00)
37 同 角(79) ( 1:00/02:32:00)
38 6四歩(63) ( 1:00/03:16:00)
39 同 歩(65) (63:00/03:35:00)
40 同 角(42) (22:00/03:38:00)
41 2四歩(25) (23:00/03:58:00)
42 同 銀(33) (33:00/04:11:00)
43 4六角(35) ( 0:00/03:58:00)
44 同 角(64) ( 1:00/04:12:00)
45 同 銀(37) ( 0:00/03:58:00)
46 3三銀(24) ( 2:00/04:14:00)
47 5五歩(56) (30:00/04:28:00)
48 7六歩打 (57:00/05:11:00)
49 同 銀(77) (19:00/04:47:00)
50 7五歩打 ( 1:00/05:12:00)
51 6四角打 ( 4:00/04:51:00)
52 7二飛(82) ( 1:00/05:13:00)
53 9一角成(64) (56:00/05:47:00)
54 7六歩(75) ( 2:00/05:15:00)
55 8一馬(91) ( 0:00/05:47:00)
56 7五飛(72) (20:00/05:35:00)
57 6八金(69) ( 4:00/05:51:00)
58 3四角打 (11:00/05:46:00)
59 4五桂打 (47:00/06:38:00)
60 同 歩(44) (35:00/06:21:00)
61 3五銀(46) ( 0:00/06:38:00)
62 6五桂打 (10:00/06:31:00)
63 7七歩打 (34:00/07:12:00)
64 同 歩成(76) (14:00/06:45:00)
65 同 桂(89) ( 0:00/07:12:00)
66 7六歩打 ( 2:00/06:47:00)
67 6五桂(77) ( 0:00/07:12:00)
68 7七銀打 ( 1:00/06:48:00)
69 同 金(67) ( 0:00/07:12:00)
70 同 歩成(76) ( 0:00/06:48:00)
71 同 金(68) ( 0:00/07:12:00)
72 7六歩打 ( 1:00/06:49:00)
73 同 金(77) ( 0:00/07:12:00)
74 同 飛(75) ( 1:00/06:50:00)
75 7七歩打 ( 0:00/07:12:00)
76 6六飛(76) (33:00/07:23:00)
77 6七銀打 ( 0:00/07:12:00)
78 8八金打 ( 0:00/07:23:00)
79 6八玉(78) ( 2:00/07:14:00)
80 6五飛(66) ( 0:00/07:23:00)
81 3四銀(35) (18:00/07:32:00)
82 6六歩打 ( 1:00/07:24:00)
83 5六銀(67) ( 2:00/07:34:00)
84 3六桂打 ( 0:00/07:24:00)
85 3八飛(28) (10:00/07:44:00)
86 3四銀(33) ( 0:00/07:24:00)
87 6五銀(56) ( 0:00/07:44:00)
88 4八銀打 ( 8:00/07:32:00)
89 4四香打 (11:00/07:55:00)
90 4三銀(34) ( 1:00/07:33:00)
91 4八飛(38) ( 1:00/07:56:00)
92 同 桂成(36) ( 0:00/07:33:00)
93 5七玉(68) ( 0:00/07:56:00)
94 6八飛打 (10:00/07:43:00)
95 6一飛打 ( 0:00/07:56:00)
96 5一金(52) ( 2:00/07:45:00)
97 4三香(44) ( 3:00/07:59:00)
98 同 金(32) ( 0:00/07:45:00)
99 5二角打 ( 0:00/07:59:00)
100 同 玉(41) ( 0:00/07:45:00)
101 4四桂打 ( 0:00/07:59:00)
102 同 金(43) ( 1:00/07:46:00)
103 5三銀打 ( 0:00/07:59:00)
104 4一玉(52) ( 4:00/07:50:00)
105 投了 ( 0:00/07:59:00)
まで104手で後手の勝ち


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