右玉:将棋の囲い

目次

右玉の基本形

下図が右玉(みぎぎょく)の基本形です。
読みに寛容な将棋界ですが「うぎょく」とは言いません。
居飛車から始まって、飛車を一段目に引き、玉が5筋よりも右にいれば右玉と言えます。
将棋で「右玉」と言われる囲い1
つまり、下図のように飛車先を五段目まで突いていなかったり、
右金が5筋にいたりしても、右玉と言えます。
将棋で「右玉」と言われる囲い2
「囲い(玉周辺)」ではなく「陣形(全体)」や「戦法(指し方)」を
意味している場合もありますが、概念が広いので、あまり気にする必要はありません。

右玉は、一時的に玉飛が接近しますが、下図のように飛車の横利きを通した後、
飛車が別の回る展開になりやすいです。
将棋で「右玉」と言われる囲い3
ほぼ同様の形で、中飛車の持久戦に「風車(かざぐるま)」という戦法がありますが、
その場合、途中経過が異なるので「右玉」とはあまり言いません。

右玉の特長

右玉は主に相居飛車で現れる囲い(陣形)です。
全体的に上部に手厚く、相手が攻めようとしたに飛車を回ることもできるので、
相手から攻め込まれにくいのが特長です。

序中盤は、ひたすら手待ちをして千日手を狙うこともできますし、
相手が隙を見せれば、その筋から仕掛けることもできます。

右玉の評価

標準手数18
横の耐久力50 /100
斜めの耐久力70 /100
上部の耐久力60 /100
端の耐久力40 /100
玉の広さ100 /100
玉の遠さ70 /100
囲いやすさ75 /100
陣形バランス100 /100
囲いの進展性30 /100


※陣形全体を考慮した標準手数となっています。
※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。

右玉の前段階

右玉は陣形全体のバランスを考慮しながら駒組みを進めていきます。
相居飛車において玉が右側へ移動した段階で「右玉」と言われることもあり、
他に名前の付いた囲いを経由することはありません。

右玉からの進展

金駒が左右に分かれているので、囲いを堅くすることは難しいです。
但し、相手が玉側から攻めようと動いてきた場合、
早めに玉を中央へ移動しておくことはあります。

主な相手の囲い

右玉側から仕掛けることができる筋は多いので、
相手はそれに対応しておく必要があります。
少なくともバランスが偏っている囲いにはなりにくいです。

右玉の主な弱点

陣形を安定させるまでが難しい

右玉は相手の動きを見ながら、左右バランス良く駒を動かしていくことになるので、
陣形全体が安定するまでは手数がかかります。
よって、相手が急戦を狙っている場合には、右玉にできるかどうかの判断が求めらます。

特に、飛車を一段目に引いて、かつ、横利きが通るまでは、
飛車の働きが悪くて、玉飛接近の悪形が残りやすいので、注意が必要です。

飛車がいる筋でも桂香を打たれる

右玉は、飛車が縦横によく利いているようですが、
下図のように横利きを生かして相手の狙いを防いでいる局面だと、
相手が桂香を捨てて、飛車を縦に動かそうとする手が生じます。
「右玉」の注意点1
桂打ちの場合は、下図のように突き捨てから香を吊り上げるとより厳しいです。
「右玉」の注意点2
拠点を作られたり、突破されたりしてしまうと右玉はすぐに崩壊し始めます。
盤面を広く見ながら、相手の狙いを早めに察知して、潰しておくことが重要です。

右香を吊り上げられて角を打ち込まれる

右玉は、右端を香で守っていますが、
香は後戻りができませんので、吊り上げられてしまうと隙が生じます。
よって、下図のように相手が角と歩を持っている場合、
「右玉」の注意点3
歩を突き捨ててから、香を叩いて吊り上げることで、
下図のように角を打ち込まれてしまいます。
(相手の持ち駒の歩が1枚だけの場合は垂らします。) 「右玉」の注意点4
角の打ち込みがなかったとしても、
バランスを崩されると、相手に様々な攻め筋が生じてしまいます。

相手の持ち駒に歩が増えると隙を作られやすくなるので、
攻め合いに持ち込めるようにしておくことが重要です。

囲いとしては堅くない

右玉は玉が堅い訳ではありません。
1度突破されてしまうと、下図のようになることも多く、受け切りは困難です。
「右玉」の注意点5
上図のような状況になっても、玉が広いので詰みは生じにくいです。
攻め合いで相手玉に必至をかけることができれば勝ちなので、
逆算をして、攻め合いのタイミングを計ることが重要になってきます。

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