銀立ち矢倉:将棋の囲い

目次

銀立ち矢倉の基本形

下図が銀立ち矢倉(ぎんだちやぐら)の基本形です。
最小構成として、金銀3枚の配置が同じであれば銀立ち矢倉と言えます。
将棋で「銀立ち矢倉」と言われる囲い

銀立ち矢倉の特長

銀立ち矢倉は相居飛車または対抗形で現れる囲いです。
歩を五段目(先手は7五、後手は3五)に進める必要があるため、
相手の駒組みによっては銀立ち矢倉を組むことができません。

持久戦において、お互いが仕掛けを見送るなかで、玉頭付近のを確保できた場合に、
より良い陣形を目指して、金矢倉などから組み替えます。

先手は7筋、後手は3筋の位を銀で支えて確保していることで、
相手が右桂(相手の飛車の下にいる桂)を活用しづらい状態になっています。
(相手が後手の場合、△7四歩~△7三桂を防いでいます。)

銀立ち矢倉は上部に手厚い囲いとなっているため、
相居飛車では相手の攻撃陣、対抗形では相手玉に対して、
プレッシャーをかけつつ、場合によっては囲い側から仕掛けることもできます。

また、制空権を握りやすい(上部に相手の駒が少ない)ので、
終盤で攻め込まれた場合に、玉を上部に脱出できる可能性も高くなっています。

銀立ち矢倉の評価

標準手数16
横の耐久力70 /100
斜めの耐久力80 /100
上部の耐久力80 /100
端の耐久力70 /100
玉の広さ90 /100
玉の遠さ80 /100
囲いやすさ60 /100
陣形バランス75 /100
囲いの進展性40 /100


※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。

銀立ち矢倉の前段階

一旦、金矢倉あるいは総矢倉を組んでから、組み替えることが多いです。
囲いの上部を制圧できていれば、菱矢倉から押し上げて変化する場合もあります。
対抗形の場合は、銀冠(居飛車)から組み替える場合もあります。

いずれも場合も、の確保を急ぎすぎると、
金駒が離れ離れになった瞬間を狙われる恐れがあります。

銀立ち矢倉からの進展

金駒の連携を維持しつつ、厚みを維持する必要もあるので、
他の名前の付いている囲いには組み替えづらいです。
玉頭の歩を突いて、さらに広さを主張するような場合はあります。

主な相手の囲い

相居飛車の場合は、比較的、手数のかかった堅い囲いであることが多いです。
対抗形の場合は、相手が低い囲いになっているはずです。
  • 本美濃
  • 穴熊(振り飛車)

銀立ち矢倉の主な弱点

駒組み段階から攻守のバランスが難しい

銀立ち矢倉は金矢倉よりも手数がかかります。
その分、上部に手厚く、広さも確保できていますが、
囲うことに専念していては、相手から簡単に仕掛けられてしまいます。

囲いを組んでいる間、相手から仕掛けられないように、
しっかりと間合いをはかっておく必要があります。

右金の頭を狙われる

銀立ち矢倉で右金の頭は、金矢倉と比較して、銀の利きがありません。
下図のように歩で叩かれるだけでもバランスを崩されやすいです。
「銀立ち矢倉」の注意点1
横からの攻めで食いつかれてしまうと、受け切ることは難しいので、
攻め合いに持ち込めるように中盤から準備をしておくことが重要です。

端・横からの攻めに対しては金矢倉と同様

銀立ち矢倉は金矢倉と比較して右銀が一段上ずった形です。
つまり、端や横からの攻めに対しては金矢倉と同様の弱点があります。
詳細は金矢倉のページをご覧ください。

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