雁木:将棋の囲い

目次

雁木の基本形

下図が雁木(がんぎ)の基本形です。
最小構成として、左金と左銀の配置が同じであれば雁木と言えます。
将棋で「雁木」と言われる囲い
角が初期位置にいることもあります。

雁木の特長

雁木は主に相居飛車で現れる囲いです。
2枚の銀を三段目、2枚の金を二段目に配置することで、
上部からの攻撃に対して耐久力のある囲いとなっています。

基本的に、玉が初期位置から左に1マスしか動かないことから、
金矢倉よりも手数がかからず、その分、早めに仕掛けることを狙っています。
(玉を深く囲う場合もあります。)

仕掛けとしては、右四間飛車にすると、右銀や右桂を攻めに使いやすいです。

攻め込まれた際には、玉の上・左・右が空いていることを生かし、
相手から攻められた場所に応じて、玉の逃走ルートを決めることができます。

雁木の評価

標準手数11
横の耐久力50 /100
斜めの耐久力75 /100
上部の耐久力80 /100
端の耐久力75 /100
玉の広さ80 /100
玉の遠さ75 /100
囲いやすさ85 /100
陣形バランス70 /100
囲いの進展性40 /100


※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。

雁木の前段階

雁木に組み上がる途中で、他に名前の付いた囲いになることはほとんどありません。

雁木からの進展

早仕掛けを主な目的として雁木に組むことが多いので、
雁木から他の囲いに組み変えることはほとんどありません。
但し、仕掛けが難しい局面では、玉の遠さと堅さを求めて、玉を8八(後手は2二)、
右銀を7七(後手は3三)に移動することで、銀矢倉に組み替えることはできます。

主な相手の囲い

矢倉もしくは雁木であることがほとんどです。

雁木の主な弱点

棒銀に弱い

雁木は相手の飛車の筋を左金1枚でしか守っていないため、
下図のように棒銀で攻められてしまうと、
「自分1:相手2」の戦いとなり、守りの数が足りずに突破されてしまいます。
「雁木」の注意点1
角が移動している状態であれば、
角の初期位置に玉を移動することで数を足して受ける場合もありますが、
基本的には相手の棒銀を間に合わせないように、早めに仕掛けることが重要です。

斜め棒銀の受け方は、第33期竜王戦第5局 豊島竜王vs羽生九段の解説をご覧ください。

飛車で王手がかかる

雁木は玉のいる一段目に金駒がいません。
つまり、下図のように飛車を打たれてしまうと、簡単に王手がかかってしまいます。
「雁木」の注意点2
「王手○○取り」となって、こちらの攻め駒を取られてしまう恐れもあります。
相手に飛車を渡す攻めをする場合、この反撃に注意することが重要です。

右銀を直接狙われると弱い

雁木は金駒が集結して、堅く見えますが、右銀には右金1枚でしかが付いていません。
そして、この位置(先手は5七、後手は5三)が、相手の角や桂で狙われやすく、
下図のような連携で攻められてしまうと簡単に崩されてしまいます。
「雁木」の注意点3
上図から右銀が逃げても、その場所に歩か銀を打たれてしまい、
確実に金駒を剥がされてしまうので、一気に囲いが弱体化してしまいます。
序中盤で桂跳ねを十分に警戒することは重要ですが、終盤で上図のようになった場合は、
攻め合いで勝つことができるような状態にしておくことが望ましいです。

左銀の頭を歩で叩かれると弱い

雁木は金駒4枚で囲っていることも多いため、攻め駒が不足しがちです。
そのため、右銀が攻めに参加することがあるのですが、
その際、下図のように左銀ので歩の突き捨てから叩きが入るだけでも困ります。
「雁木」の注意点4
2枚の金が邪魔をして、左銀が下がることができないので、
上図からは▲同銀と取るしかありませんが、一気に金駒がバラバラになり、
△3九角と打たれて、飛車銀両取りがかかります。
(駒の配置が異なっても相手が角を持っているだけで両取りがかかりやすくなります。)

また、あらかじめ左銀のに相手の角などの利きがある状態ならば、
歩を打たれただけで銀が捕まっており、銀損が確定してしまいます。
簡単に駒損することは避ける必要があるため、
囲いを崩されたとしても、左銀の逃げ道を確保するような指し手が必要です。

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