【将棋格言】
遊び駒を活用せよ

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「遊び駒を活用せよ」の読み方

あそびごまをかつようせよ

「遊び駒を活用せよ」に関連する主な駒

「遊び駒を活用せよ」の出現頻度

★★★★★

「遊び駒を活用せよ」の説明

攻めにも受けにも利いていない駒(=遊び駒)を使うと好手になりやすい、ということ。
駒取りや詰めろのかかっていない少し落ち着いた局面において、既によく働いている駒を動かしても働きが増す度合いは小さく、また持ち駒を打ってしまうと別の場所へ使うことができなくなるので含みが減ってしまう、ということは多い。それであれば、盤上の遊び駒を動かすことが最も大きなプラスとなり得る。
遊び駒の活用方法としては、相手玉や自玉に近づくように動かすことが多い。しかし、離れているからこそ遊んでいると言われるのであって、近づけるためには手数がかかることとなり、他の有効な手を指せないというマイナス面との比較が重要になる。一般的に、遊び駒に3手も4手もかける余裕はないことから、動きの速い大駒や桂が活用対象の駒となることが多い。
他に、相手に取らせるという活用方法もある。遊び駒は悪い位置にいることがほとんどであるため、遊び駒を取ると、今度は取るために動かした駒が遊び駒となり得る。それによって相手の戦力を下げることができるし、相手がその駒を活用するために動かせば、遊び駒を取らせた側が手を稼げていると言える。

「遊び駒を活用せよ」の例

【将棋格言】第76期名人戦七番勝負 第2局 佐藤天彦 名人 対 羽生善治 竜王で「遊び駒を活用せよ」となった局面

[図1]

上の [図1] は、第76期名人戦七番勝負 第2局 佐藤天彦 名人 対 羽生善治 竜王の対局で、後手が劣勢で手番を迎えた局面。後手は持ち駒が少なく、遊び駒が多い状況である。少しでも逆転の確率を上げるために羽生竜王が指した手は△7三桂。「遊び駒を活用せよ」で、ほとんど機能していなかった8一の桂を跳ねて、持ち駒に桂が増えるようにしながら、何とか6筋の攻めを勢い付けようとした。結果、逆転には至らなかったものの、持ち駒の桂で先手玉に迫り、詰む変化がいくつも生じた。
【将棋格言】第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 渡辺明 棋聖 対 藤井聡太 七段で「遊び駒を活用せよ」とされた手を指した局面

[図2]

上の [図2] は、2020年6月28日に行われた第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 渡辺明 棋聖 対 藤井聡太 七段の45手目に先手の渡辺棋聖が▲5七銀と引いた局面。後手が△4五銀と桂を取ると、角交換から激しくなる変化は避けられない。桂取りの権利は保持できるので、ギリギリまで更なる攻撃態勢を整えて、本譜は「遊び駒を活用せよ」で△7三桂と跳ねた。均衡を保った戦いなので、後手だけが右桂を使わずに勝てるはずがないという考え方が重要である。

「遊び駒を活用せよ」に関連する用語


 

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