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「妙手」の読み方
みょうしゅ
「妙手」の説明
パッと思い付かないような手だが、非常に良い手。
「妙手」の用例
「妙手を指されてしまい、全く考えていなかったので、頭が真っ白になってしまった。」
[図1]
上の [図1] は、1989年2月5日(日)に放送された第38回NHK杯準々決勝 加藤一二三九段vs羽生善治五段の61手目の局面。既に先手が勝勢の局面ではあるが、まだ後手玉が広いので、下手をすると逃がしかねない。ここで羽生五段は▲5二銀と打った(下の [図2] )。これが「羽生マジック」と言われる最も代表的な手であり、未だに伝説として語り継がれている寄せの「妙手」である。
上の [図2] は、[図1] から▲5二銀と打った局面。これが最速の寄せを狙った最善手であるが、5二の地点は相手の飛車と金がしっかりと利いている。そこへ銀をただ捨てするような手は盲点になりやすい。解説の米長邦雄永世棋聖は、この手を見た瞬間に大声を出して驚き、防音の解説室からその声が漏れて対局者にも聞こえたとか…。▲5二銀に対して△同飛も△同金も▲2三角 △4二玉 ▲4一金のような詰み筋が生じており、この時、銀を捨てた効果で5二へ逃げられなくなっていることが分かる。
指し手を見て、読み筋を深めれば、良い手であることは分かるが、そもそも最初の手が思い浮かばない。まさに「妙手」である。
都詰め
観る将
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