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推理将棋の条件
特定の条件で局面を指定して、
その局面を実現するための手数や手順を考えることを「
推理将棋」と言います。
では、
平手の初期局面から詰みまで、最短何手で実現できるでしょうか?
そして、どのような手順が考えられるでしょうか?
もちろん先手と後手が双方協力して…、ということになります。
ちなみに、▲7六歩 △3四歩 ▲6八玉 △8八角成 ▲5八金右 △9五角という手順で
「詰将棋の考え方を適用すると詰み」という局面にすることはできます。
この場合、手数は6手です。また「▲5八金右」の代わりに「▲5八飛」でも同様です。
そして3手目と5手目で「▲6八玉」「▲5八金右・▲5八飛」の手順前後が効きます。
よって、手順は4通りとなります。
但し、今回は「
合法手がない」という状態を詰みとします。
上記の場合、▲8六歩も▲7七桂もただで取ることができるので無駄な指し手ですが、
指すことはルール上認められていますね。
例えば▲7七桂に「△同馬・△同角成・△同角不成」のいずれかで「詰み」となります。
最短手数と全手順の答え
最短手数は
7手となります。
そして、手順は
29通りあります。
意外と多いですね。
手数を短くするためには大駒の活用が不可欠です。
飛車を活用した詰み手順
「(1)▲2六歩 △4二玉 ▲2五歩 △3二玉 ▲2四歩 △4二飛 ▲2三歩成」
飛車を活用するには飛車先を突くしかありません。
そして▲2三歩成までで7手かかりますので、その間に後手が玉を3二に封じ込めます。
変化の余地がないため、手順は1通りとなります。
馬と角で詰ます手順
「(2)▲7六歩 △3四歩 ▲2二角成 △5二金左 ▲4二角 △4一玉 ▲3一馬」
3手目に角を成らないという手順で
「(3)▲7六歩 △3四歩 ▲2二角不成 △5二金左 ▲4二角 △4一玉 ▲3一角右成」
もあります。
馬と銀で詰ます手順
「(4)▲7六歩 △5四歩 ▲4四角 △5二玉 ▲7一角成 △5一金右 ▲5三銀」
「△5四歩」と「△5二玉」は手順前後が効きますので、
「(5)▲7六歩 △5二玉 ▲4四角 △5四歩 ▲7一角成 △5一金右 ▲5三銀」
また、類似形で▲9六歩から3一の銀を取る手順もあります。
「(6)▲9六歩 △5四歩 ▲9七角 △5二玉 ▲3一角成 △5一金左 ▲5三銀」
「(7)▲9六歩 △5二玉 ▲9七角 △5四歩 ▲3一角成 △5一金左 ▲5三銀」
馬と金で詰ます手順
「(8)▲7六歩 △4二金 ▲3三角成 △7二金 ▲4二馬 △6一玉 ▲5二金」
「手順前後」「玉の位置が6二」「3手目を角不成」という組み合わせがあります。
「(9)▲7六歩 △4二金 ▲3三角成 △7二金 ▲4二馬 △6二玉 ▲5二金」
「(10)▲7六歩 △4二金 ▲3三角成 △6二玉 ▲4二馬 △7二金 ▲5二金」
「(11)▲7六歩 △6二玉 ▲3三角成 △4二金 ▲同馬 △7二金 ▲5二金」
「(12)▲7六歩 △7二金 ▲3三角成 △4二金 ▲同馬 △6一玉 ▲5二金」
「(13)▲7六歩 △7二金 ▲3三角成 △4二金 ▲同馬 △6二玉 ▲5二金」
「(14)▲7六歩 △4二金 ▲3三角不成 △7二金 ▲4二角成 △6一玉 ▲5二金」
「(15)▲7六歩 △4二金 ▲3三角不成 △7二金 ▲4二角成 △6二玉 ▲5二金」
「(16)▲7六歩 △4二金 ▲3三角不成 △6二玉 ▲4二角成△7二金 ▲5二金」
「(17)▲7六歩 △6二玉 ▲3三角不成 △4二金 ▲同角成 △7二金 ▲5二金」
「(18)▲7六歩 △7二金 ▲3三角不成 △4二金 ▲同角成△6一玉 ▲5二金」
「(19)▲7六歩 △7二金 ▲3三角不成 △4二金 ▲同角成 △6二玉 ▲5二金」
角と銀で詰ます手順
角を成らないから詰ましやすいという推理将棋ならではの手筋(?)があります。
「(20)▲9六歩 △5四歩 ▲9七角 △4二銀 ▲同角不成 △5二玉 ▲5三銀」
「手順前後」「初手▲7六歩~6二で銀を取る」
「初手▲7六歩~4二で銀を取る」という組み合わせがあります。
「(21)▲9六歩 △4二銀 ▲9七角 △5四歩 ▲4二角不成△5二玉 ▲5三銀」
「(22)▲7六歩 △6二銀 ▲4四角 △5四歩 ▲6二角不成△5二玉 ▲5三銀」
「(23)▲7六歩 △5四歩 ▲4四角 △6二銀 ▲同角不成 △5二玉 ▲5三銀」
「(24)▲7六歩 △4二銀 ▲3三角不成△5四歩 ▲4二角不成 △5二玉 ▲5三銀」
「(25)▲7六歩 △4二銀 ▲3三角不成 △5二玉 ▲4二角不成 △5四歩 ▲5三銀」
「(26)▲7六歩 △5四歩 ▲3三角不成 △4二銀 ▲同角不成 △5二玉 ▲5三銀」
「(27)▲7六歩 △5二玉 ▲3三角不成 △4二銀 ▲同角不成 △5四歩 ▲5三銀」
角と金で詰ます手順
「(28)▲7六歩 △5二玉 ▲3三角不成 △5一金右 ▲同角不成 △7二銀 ▲6二金」
後手が逆の金を差し出す(?)手順もあります。
「(29)▲7六歩 △5二玉 ▲3三角不成 △5一金左 ▲同角不成 △3二銀 ▲4二金」
全部分かったら頭が柔らかい証拠です。
常識を捨てないといけないため、高段者の方が苦戦するかもしれません…。