[図1]
上の [図1] は、横歩取りという戦型に突入した局面。ここから後手が急戦を挑む場合、△8八角成とする手がある(下の [図2] )。[図2]
上の [図2] から、▲同銀と応じた後、さらに後手は△2八歩と打つ手がある(下の [図3] )。先手は△2八歩に対しても▲同銀と応じるのが定跡である。[図3]
ここで [図3] の△2八歩という手は、さかのぼって [図1] の段階でも打つことができる(下の [図4] )。[図4]
上の [図4] から、▲同銀 △8八角成 ▲同銀という手順を踏めば、[図1] から△8八角成 ▲同銀 △2八歩 ▲同銀という手順と同じ局面に合流する。毎回そうなるのであれば、[図1] における後手の指し手は△8八角成でも△2八歩でもどちらでも良いことになる。しかし、実際の結論はそうなっていない。これは [図4] から▲2八同銀と応じずに、▲2二角成と変化する手があるためで(下の [図5] )、後手は△8八角成が指せなくなっている。[図5]
上の [図5] から、△同銀は▲3二飛成、△同金は▲3一飛成、△3三歩は▲3二馬があり、後手がどのように応じても、先手の強烈な攻めが決まるので先手勝勢である。つまり、[図1] から、△8八角成よりも先に△2八歩は「手順前後」である、あるいは△8八角成と△2八歩の「手順前後は利かない」と言うことができる。- スポンサーリンク -
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