【将棋用語】
手順前後

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「手順前後」の読み方

てじゅんぜんご

「手順前後」の説明

AとBの2つの候補手がある局面で、先にAを指してからBを指す手順と、先にBを指してからAを指す手順のこと。
特に「手順前後」と一言で言われる場合は、そのどちらかの手順は成立するが、もう一方の手順は成立しない(正確に応じられると、その手自体が指せなくなったり、指すと形勢を損ねてしまう)ことが多い。丁寧に言えば「手順前後が成立しない」あるいは「手順前後が利かない」となる。
「手順前後が成立する」あるいは「手順前後が利く」と言われる場合もある。例えば、初期局面で、先手の▲7六歩と▲2六歩は「手順前後が利く」と言うことはできる。但し、序盤の駒組みは「手順前後が利く」ことがほとんどであるため、駒交換が絡まなければ、滅多に使われない。

「手順前後」の用例

「先に歩を打ったのは手順前後だった。」
【将棋用語】「手順前後」が生じる可能性のある局面

[図1]

上の [図1] は、横歩取りという戦型に突入した局面。ここから後手が急戦を挑む場合、△8八角成とする手がある(下の [図2] )。
【将棋用語】「手順前後」で形勢を損ねない正着手順1

[図2]

上の [図2] から、▲同銀と応じた後、さらに後手は△2八歩と打つ手がある(下の [図3] )。先手は△2八歩に対しても▲同銀と応じるのが定跡である。
【将棋用語】「手順前後」で形勢を損ねない正着手順2

[図3]

ここで [図3] の△2八歩という手は、さかのぼって [図1] の段階でも打つことができる(下の [図4] )。
【将棋用語】「手順前後」で形勢を損ねる手順1

[図4]

上の [図4] から、▲同銀 △8八角成 ▲同銀という手順を踏めば、[図1] から△8八角成 ▲同銀 △2八歩 ▲同銀という手順と同じ局面に合流する。毎回そうなるのであれば、[図1] における後手の指し手は△8八角成でも△2八歩でもどちらでも良いことになる。しかし、実際の結論はそうなっていない。これは [図4] から▲2八同銀と応じずに、▲2二角成と変化する手があるためで(下の [図5] )、後手は△8八角成が指せなくなっている。
【将棋用語】「手順前後」で形勢を損ねる手順2

[図5]

上の [図5] から、△同銀は▲3二飛成、△同金は▲3一飛成、△3三歩は▲3二馬があり、後手がどのように応じても、先手の強烈な攻めが決まるので先手勝勢である。つまり、[図1] から、△8八角成よりも先に△2八歩は「手順前後」である、あるいは△8八角成と△2八歩の「手順前後は利かない」と言うことができる。

「手順前後」に関連する用語


 

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