[図1]
上の [図1] は、2012年11月5日に行われたA級順位戦「渡辺 明 竜王 vs 屋敷 伸之 九段」の91手目に先手の屋敷九段が「▲8一飛成」と指した局面。この対局以前にも同一の局面が現れており「矢倉91手定跡」と言われていた。当時はプロ棋士の間で研究課題となっていたが、この対局で決定版となる対策が出され、以降、この局面は現れなくなった。[図2]
上の [図2] は、「相矢倉の4六銀3七桂型」と言われる戦型を目指して、先手が▲4六銀と上がった局面。この局面は昭和の時代から数多く指されており、「△4五歩には▲3七銀と引いておけば、▲4六歩と戦いを起こすことができるので先手が少し良い」と結論付けられていた。ところが、将棋ソフトの進化によって、△4五歩の後に後手が良くなる変化が発見され、序盤の大前提が崩れた。そして、2015年頃を境にして、戦型の「定跡」全体が実質的に消滅し、プロの将棋で現れることはなくなった。- スポンサーリンク -
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