【将棋用語】
攻防手

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「攻防手」の読み方

こうぼうしゅ

「攻防手」の説明

相手玉を攻めつつ、自玉の受けにも利いている手。
「飛車(竜)・角(馬)・香で自陣と相手陣の両方に駒を利かす」場合が多いが、「小駒を相手玉に近づけながら自玉の逃げ道を開ける」「王手をして相手に合駒を使わせることで自玉の寄せをなくす」「受けに使った駒の利きによって相手玉に詰めろがかかる」など様々なケースが考えられる。
駒の働きが非常に良いことになり、攻守が入れ替わることも多いので、中盤以降は積極的に「攻防手」を探すことが重要である。

「攻防手」の用例

【将棋用語】「攻防手」によって優位を築く部分図

[図1]

上の [図1] は、次に後手から△7九角と打たれると先手玉が寄ってしまう。しかし、▲6九銀打のように持ち駒の銀を使ってしまうと、攻める駒が不足する。ここは▲3五角が絶好の「攻防手」(下の[図2])であり、後手からの△7九角や△6八金を防ぎながら、▲7一角成以下の詰めろとなっている。対して、△7二金とかわせば▲6一銀と追い打ちをかけることができる。△7二金打と持ち駒を使って受ければ、後手玉はしばらく安全になるが、先手玉がそれ以上に安全になるので優位を保てる。
【将棋用語】「攻防手」によって優位を築いた部分図

[図2]


【将棋用語】第31期竜王戦七番勝負 第1局 羽生善治 竜王 対 広瀬章人 八段で指された「攻防手」

[図3]

上の [図3] は、2018年10月11日から12日にかけて行われた第31期竜王戦七番勝負 第1局 羽生善治 竜王 対 広瀬章人 八段の115手目に先手の羽生竜王段が▲2六桂と打った局面。まず、この桂は王手であるため、後手が無視することはできない(=攻め)。但し、後手玉が逃げると詰んでしまうため、後手は△同竜と取るしかない。すると、後手の攻めの主軸である竜を先手陣から引き上げさせることで先手玉が安全になった(=受け)。桂のただ捨てが忙しい終盤で手番を握るための「攻防手」となった。

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