目次
解説動画
叡王戦第2局
叡王戦第4局
対局情報
金井 恒太 六段<先手>
高見 泰地 六段<後手>
※上記手番は千日手局のもの。指し直し局は先後逆。
横歩取り(千日手局)
矢倉模様の相居飛車力戦(指し直し局)
局面解説(千日手局)
上図は千日手局の終局図。
横歩取りの展開から、金井六段が攻め込んで優勢となりましたが、
高見六段が決め手を与えずに粘り、112手で千日手となりました。
千日手局の終局図は、駒得の先手が優勢ではありますが、
後手玉がすぐに寄る訳ではありません。
後手からは△1九飛や、△2六歩~△2七歩成という攻めが分かりやすく、
先手は持ち駒を自陣に投入して、しっかりと受ける必要があります。
かなり先の長い将棋なので、実戦的には選びづらいです。
ポイントは上図(85手目)の局面で、本譜は▲5八玉と逃げましたが、
△6六桂の王手金取りが厳しく、先手が忙しい展開となってしまいました。
85手目は▲6六歩と「焦点の歩」を打つのが手筋です。
△同香は、今度こそ▲5八玉と引けば△6六桂と跳ねることができません。
△同桂は、▲6八金と寄っておけば、
開き王手の変化が少し複雑ですが、正確に受ければ先手玉は寄りません。
先手は▲6三銀成から▲2四竜と金を2枚取るような変化で
後手玉を寄せていきたいです。
棋譜(千日手局)
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棋戦:第3期叡王戦決勝七番勝負 第3局(千日手局)
先手:金井恒太六段
後手:高見泰地六段
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00)
2 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00)
3 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00)
4 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00)
5 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00)
6 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00)
7 7八金(69) ( 0:00/00:00:00)
8 3二金(41) ( 0:00/00:00:00)
9 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00)
10 同 歩(23) ( 0:00/00:00:00)
11 同 飛(28) ( 0:00/00:00:00)
12 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00)
13 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00)
14 同 飛(82) ( 0:00/00:00:00)
15 3四飛(24) ( 0:00/00:00:00)
16 3三角(22) ( 0:00/00:00:00)
17 3六飛(34) ( 0:00/00:00:00)
18 8四飛(86) ( 0:00/00:00:00)
19 2六飛(36) ( 0:00/00:00:00)
20 2二銀(31) ( 0:00/00:00:00)
21 8七歩打 ( 0:00/00:00:00)
22 5二玉(51) ( 0:00/00:00:00)
23 6八玉(59) ( 0:00/00:00:00)
24 7二銀(71) ( 0:00/00:00:00)
25 4八銀(39) ( 0:00/00:00:00)
26 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00)
27 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00)
28 7三桂(81) ( 0:00/00:00:00)
29 5九金(49) ( 0:00/00:00:00)
30 6二金(61) ( 0:00/00:00:00)
31 1五歩(16) ( 0:00/00:00:00)
32 6四歩(63) ( 0:00/00:00:00)
33 1四歩(15) ( 0:00/00:00:00)
34 同 歩(13) ( 0:00/00:00:00)
35 1二歩打 ( 0:00/00:00:00)
36 2五歩打 ( 0:00/00:00:00)
37 3六飛(26) ( 0:00/00:00:00)
38 1二香(11) ( 0:00/00:00:00)
39 1七桂(29) ( 0:00/00:00:00)
40 4二玉(52) ( 0:00/00:00:00)
41 2五桂(17) ( 0:00/00:00:00)
42 8八角成(33) ( 0:00/00:00:00)
43 同 銀(79) ( 0:00/00:00:00)
44 3三歩打 ( 0:00/00:00:00)
45 1三歩打 ( 0:00/00:00:00)
46 同 香(12) ( 0:00/00:00:00)
47 1二角打 ( 0:00/00:00:00)
48 8一飛(84) ( 0:00/00:00:00)
49 2四歩打 ( 0:00/00:00:00)
50 2三歩打 ( 0:00/00:00:00)
51 1三桂成(25) ( 0:00/00:00:00)
52 同 桂(21) ( 0:00/00:00:00)
53 1四香(19) ( 0:00/00:00:00)
54 1一歩打 ( 0:00/00:00:00)
55 2三角成(12) ( 0:00/00:00:00)
56 同 銀(22) ( 0:00/00:00:00)
57 同 歩成(24) ( 0:00/00:00:00)
58 同 金(32) ( 0:00/00:00:00)
59 2四歩打 ( 0:00/00:00:00)
60 同 金(23) ( 0:00/00:00:00)
61 1三香成(14) ( 0:00/00:00:00)
62 1八角打 ( 0:00/00:00:00)
63 4六飛(36) ( 0:00/00:00:00)
64 5四桂打 ( 0:00/00:00:00)
65 2六飛(46) ( 0:00/00:00:00)
66 2五歩打 ( 0:00/00:00:00)
67 5六飛(26) ( 0:00/00:00:00)
68 4五角成(18) ( 0:00/00:00:00)
69 2二成香(13) ( 0:00/00:00:00)
70 6五歩(64) ( 0:00/00:00:00)
71 6四香打 ( 0:00/00:00:00)
72 5二金(62) ( 0:00/00:00:00)
73 1六飛(56) ( 0:00/00:00:00)
74 6六歩(65) ( 0:00/00:00:00)
75 1三飛成(16) ( 0:00/00:00:00)
76 6三銀(72) ( 0:00/00:00:00)
77 5六銀打 ( 0:00/00:00:00)
78 6七歩成(66) ( 0:00/00:00:00)
79 同 玉(68) ( 0:00/00:00:00)
80 3四馬(45) ( 0:00/00:00:00)
81 6三香成(64) ( 0:00/00:00:00)
82 同 金(52) ( 0:00/00:00:00)
83 7二銀打 ( 0:00/00:00:00)
84 6四香打 ( 0:00/00:00:00)
85 5八玉(67) ( 0:00/00:00:00)
86 6六桂(54) ( 0:00/00:00:00)
87 4九玉(58) ( 0:00/00:00:00)
88 1二歩(11) ( 0:00/00:00:00)
89 2四竜(13) ( 0:00/00:00:00)
90 1六角打 ( 0:00/00:00:00)
91 3八桂打 ( 0:00/00:00:00)
92 2四馬(34) ( 0:00/00:00:00)
93 8一銀(72) ( 0:00/00:00:00)
94 4四歩(43) ( 0:00/00:00:00)
95 3一飛打 ( 0:00/00:00:00)
96 4三玉(42) ( 0:00/00:00:00)
97 4一飛成(31) ( 0:00/00:00:00)
98 4二飛打 ( 0:00/00:00:00)
99 同 竜(41) ( 0:00/00:00:00)
100 同 玉(43) ( 0:00/00:00:00)
101 3一飛打 ( 0:00/00:00:00)
102 4三玉(42) ( 0:00/00:00:00)
103 4一飛成(31) ( 0:00/00:00:00)
104 4二飛打 ( 0:00/00:00:00)
105 同 竜(41) ( 0:00/00:00:00)
106 同 玉(43) ( 0:00/00:00:00)
107 3一飛打 ( 0:00/00:00:00)
108 4三玉(42) ( 0:00/00:00:00)
109 4一飛成(31) ( 0:00/00:00:00)
110 4二飛打 ( 0:00/00:00:00)
111 同 竜(41) ( 0:00/00:00:00)
112 同 玉(43) ( 0:00/00:00:00)
113 千日手 ( 0:00/00:00:00)
まで112手で千日手
局面解説(指し直し局)
序盤
22手目:形勢判断と候補手
互角:△7三桂、△5二金、△5四歩 など
先手は早めに1筋を突き越しましたが、端攻めを狙っているというよりも、
玉や飛車の移動を保留することで、相手の様子を見ています。
△7五歩からの仕掛けが見えていますが、
大丈夫と判断できているからこそできる、やや高度な戦略です。
後手は、仕掛けるか、攻めの力を溜めるか、
玉を固めるかという選択をする必要があります。もちろん、いずれも1局です。
27手目:形勢判断と候補手
互角:▲2五飛
先手は銀交換を拒否することができません。
しかし、逆に▲2五飛と銀交換を催促するのが味の良い手筋です。
まず、▲7五飛の銀取りや▲2四歩の垂らしを見せることで、
△8六銀に指し手を限定させています。
また、銀交換の後、角交換にもなりそうなので、
△3三角や△3五角と飛車取りに打たれる手を消しています。
さらに、将来的に▲8五飛と回る手を含みにして、
後手の飛車を8筋から移動しづらくしています。
五段目に飛車がいる場合には、
桂馬を跳ねて飛車取りになるような手を狙っていきたいです。
本局の場合、△3三桂から、さらに△4五桂のような攻めが実現すると
かなり後手が指しやすくなります。
簡単に実現する訳ではありませんが、
狙いの1つとして意識しておくようにしましょう。
中盤
40手目:形勢判断と候補手
互角:△2六歩
40手目は△2六歩と、飛車の裏に歩を打つのが手筋です。
先手の飛車を狭くして狙いやすくするだけでなく、
将来、△2七歩成と成り捨てれば、先手陣を崩すことができます。
大駒が不安定なので、細かい応酬が続きます。
中央で角や銀が見合っているので、お互いに動きづらい局面です。
49手目:形勢判断と候補手
互角:▲3七桂、▲7七歩、▲7四歩 など
後手は9筋からの攻めを狙っていますが、早い攻めではありません。
このように少し余裕がある局面では、とりあえず桂を跳ねておきたいです。
先手は少なくとも右桂を使わないと戦力不足となる可能性が高くなります。
57手目:形勢判断と候補手
互角:▲7七桂、▲7五銀、▲6五銀
57手目は▲7七桂と逃げながら、次に▲6五桂を狙う指し方が分かりやすいです。
他には▲7五銀や▲6五銀と、積極的に攻める手も有力です。
6六の銀には後手の角筋を受けるという役割がありますが、
既に9筋は破られているので、その重要性は下がっています。
本譜は▲6四角とさらに積極的に攻めました。
60手目:形勢判断と候補手
互角:△8九と、△4二金、△3一玉
次に先手から▲5三桂不成という王手金取りの分かりやすい攻めがあります。
△4二金や△3一玉と受けておいても形勢は互角ですが、
今度は4四の角を狙われます。
相手に複数の攻め筋がある場合、受け切れることは少ないですし、
受け間違えるリスクもあるので、攻め合う方が実戦的です。
終盤
65手目:形勢判断と候補手
先手有利:▲5三桂不成
65手目で▲同飛と取ってはいけません。
△4四角と打たれると忙しくなってしまいます。
先手は△7六桂と打たれてから
8八の金を桂で取られるのは構わないのですが、
8八の金を角で取られて、△3六桂と打たれるような変化になると
逃げ場がなくなって、一気に寄せられてしまいます。
77手目:形勢判断と候補手
先手優勢:▲6三角、▲5一成桂
先手からは▲4一金の1手詰を狙って、
▲6三角や▲5一成桂と指す手が厳しいです。
後手は壁銀の形がひどく、玉を逃がして粘るためには
△3三桂や△3三銀のような手を指す必要があります。
本譜は▲5三角と打ちました。
78手目:形勢判断と候補手
先手有利:△4二金
78手目で△4二金と寄れば、まだまだ難解でした。
▲3五角成とすれば、先手玉の安全度が増すので手堅いですが、
攻めとしては遅れるので、△8七飛成と攻め合うことができます。
▲6四角成は、相手玉を睨んたままなので積極的ですが、
△7三金と打つ手があります。
少しもったいないようですが、意外と先手の馬の行き場がありません。
▲7五馬は△7九飛の王手馬取りがありますし、
▲8六馬は△同飛と取ることができます。
よって、▲4二馬と切ることになりますが、
先手も角で王手をされると合駒に困る変化が多いです。
本譜は△4二金打としました。
79手目:形勢判断と候補手
先手勝勢:▲6三角、▲5一成桂、▲6四角成
78手目の△4二金打は、一見手堅いように見えますが、
2つの問題があります。
1つは持ち駒が少ないのに金を使ってしまったことです。
飛車1枚だけで先手玉は寄りません。
もう1つは、▲6三角や▲5一成桂と指されると
5三の角を取ることができず、また▲4一金の詰めろを防いでもいません。
折角、金を投入したにも関わらず、釘付けにされているので、
本来の守備力の高さが発揮できていないのです。
本譜は、先手玉が安全になったことを踏まえて、
▲6四角成と確実な手を指しました。
81手にて、後手の金井六段が投了し、高見六段の3勝となりました。
投了図以降は、粘るならば△6四飛と馬を取ってから、
▲同銀に△3四銀と指して、△3三銀から△2二玉と囲うことを狙いますが、
▲5一飛と打てば、△4一角と合駒する以外は詰みとなります。
あとは▲5三銀成のように押していけば、後手は攻防共に見込みがありません。
本局では高見六段の相手に決め手を与えない指し方が非常に勉強になりました。
棋譜(指し直し局)
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棋戦:第3期叡王戦決勝七番勝負 第3局(指し直し局)
先手:高見泰地六段
後手:金井恒太六段
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00)
2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00)
3 6八銀(79) ( 0:00/00:00:00)
4 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00)
5 7七銀(68) ( 0:00/00:00:00)
6 6二銀(71) ( 0:00/00:00:00)
7 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00)
8 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00)
9 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00)
10 3二金(41) ( 0:00/00:00:00)
11 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00)
12 同 歩(23) ( 0:00/00:00:00)
13 同 飛(28) ( 0:00/00:00:00)
14 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00)
15 7八金(69) ( 0:00/00:00:00)
16 7三銀(62) ( 0:00/00:00:00)
17 3八銀(39) ( 0:00/00:00:00)
18 4一玉(51) ( 0:00/00:00:00)
19 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00)
20 6四銀(73) ( 0:00/00:00:00)
21 1五歩(16) ( 0:00/00:00:00)
22 7五歩(74) ( 0:00/00:00:00)
23 同 歩(76) ( 0:00/00:00:00)
24 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00)
25 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00)
26 7五銀(64) ( 0:00/00:00:00)
27 2五飛(24) ( 0:00/00:00:00)
28 8六銀(75) ( 0:00/00:00:00)
29 同 銀(77) ( 0:00/00:00:00)
30 同 飛(82) ( 0:00/00:00:00)
31 8七歩打 ( 0:00/00:00:00)
32 8二飛(86) ( 0:00/00:00:00)
33 2二角成(88) ( 0:00/00:00:00)
34 同 銀(31) ( 0:00/00:00:00)
35 4六角打 ( 0:00/00:00:00)
36 6四銀打 ( 0:00/00:00:00)
37 6八玉(59) ( 0:00/00:00:00)
38 4四角打 ( 0:00/00:00:00)
39 6六銀打 ( 0:00/00:00:00)
40 2六歩打 ( 0:00/00:00:00)
41 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00)
42 9四歩(93) ( 0:00/00:00:00)
43 3五歩(36) ( 0:00/00:00:00)
44 同 歩(34) ( 0:00/00:00:00)
45 2六飛(25) ( 0:00/00:00:00)
46 2三歩打 ( 0:00/00:00:00)
47 3四歩打 ( 0:00/00:00:00)
48 9五歩(94) ( 0:00/00:00:00)
49 3七桂(29) ( 0:00/00:00:00)
50 9六歩(95) ( 0:00/00:00:00)
51 同 歩(97) ( 0:00/00:00:00)
52 9七歩打 ( 0:00/00:00:00)
53 同 香(99) ( 0:00/00:00:00)
54 9八歩打 ( 0:00/00:00:00)
55 4五桂(37) ( 0:00/00:00:00)
56 9九歩成(98) ( 0:00/00:00:00)
57 6四角(46) ( 0:00/00:00:00)
58 同 歩(63) ( 0:00/00:00:00)
59 5六飛(26) ( 0:00/00:00:00)
60 8九と(99) ( 0:00/00:00:00)
61 5五銀(66) ( 0:00/00:00:00)
62 8八と(89) ( 0:00/00:00:00)
63 同 金(78) ( 0:00/00:00:00)
64 5五角(44) ( 0:00/00:00:00)
65 5三桂(45) ( 0:00/00:00:00)
66 3一玉(41) ( 0:00/00:00:00)
67 6一桂成(53) ( 0:00/00:00:00)
68 4四角打 ( 0:00/00:00:00)
69 6六銀打 ( 0:00/00:00:00)
70 4五銀打 ( 0:00/00:00:00)
71 5五飛(56) ( 0:00/00:00:00)
72 同 角(44) ( 0:00/00:00:00)
73 同 銀(66) ( 0:00/00:00:00)
74 7六桂打 ( 0:00/00:00:00)
75 5九玉(68) ( 0:00/00:00:00)
76 8八桂成(76) ( 0:00/00:00:00)
77 5三角打 ( 0:00/00:00:00)
78 4二金打 ( 0:00/00:00:00)
79 6四角成(53) ( 0:00/00:00:00)
80 8四飛(82) ( 0:00/00:00:00)
81 6三角打 ( 0:00/00:00:00)
82 投了 ( 0:00/00:00:00)
まで81手で先手の勝ち
叡王戦第2局
叡王戦第4局