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「勝負手」の読み方
しょうぶて・しょうぶしゅ
「勝負手」の説明
形勢の悪い側が、相手に間違えてもらうことで形勢を良くしようとする手。
ほとんどの場合、最善手ではないため、正確に応じられてしまうと負けを早めてしまうが、逆転するための勝負術の1つとなっている。
相手に間違えてもらうためには、相手の候補手を増やすのが原則である。駒取りを複数の箇所で発生させたり、受けるべき局面で思い切って攻めたりすると、相手は正解手順以外も読むことになる。そして、正解手順を読み切る時間が無くなって、焦ったり迷ったりしてくれれば、間違えてくれることも期待できる。
読み方については「しょうぶて」「しょうぶしゅ」のどちらもあるが、「しょうぶて」の方が多数派となっている。
「勝負手」の用例
「この竜切りは勝負手だ。」
[図1]
上の [図1] で、2019年10月11日から12日にかけて行われた
第32期竜王戦七番勝負 第1局 広瀬章人 竜王 対 豊島将之 名人の139手目に先手の豊島名人が▲2九同飛と と金を取った局面。先手が左右から後手玉に迫っていて有利となっている。後手としては、先手の2九の飛車が攻防によく利いているので、その働きを弱めるために、△2七歩と垂らすのが手筋だが、本譜は「勝負手」で△3五歩と突いた。3三の香を攻めに使いつつ、2四の角の先手陣への利きを遮っている。これで▲7二成桂のような攻めでは間に合わなくなったが、駒損を恐れずに▲同角と取るのが冷静な対応で、先手が優勢となった。
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