【将棋格言】
不利なときは戦線拡大

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「不利なときは戦線拡大」の読み方

ふりなときはせんせんかくだい

「不利なときは戦線拡大」に関連する主な駒

「不利なときは戦線拡大」の出現頻度

★★★☆☆

「不利なときは戦線拡大」の説明

自分の形勢が悪い場合には、駒のぶつかる場所を増やして局面を複雑にすれば、相手が間違えて逆転できる可能性が高まる、ということ。
変化が少なくて分かりやすい手順は、仮にそれが最善であったとしても、相手も最善の対応をする可能性が高い。自分の形勢が良い場合はそれで問題ないが、形勢が悪い場合は徐々に差を付けられてしまう恐れが高まる。それであれば、多少負けを早めたとしても間違えてもらうことを狙った方が良い、という勝負術である。具体的な指し手としては、相手玉近くの歩の突き捨てが多い。
尚、新たな場所で戦いを起こすと結果が出るまでに多少の手数がかかるため、自玉の寄せが近かったり、形勢が離れすぎたりしていると間に合わない可能性が高い。よって、中盤で形勢を少し損ねた場合に最も重要な考え方となる。


「不利なときは戦線拡大」の例

【将棋格言】第69期王将戦七番勝負 第5局 渡辺 明 王将(三冠) vs 広瀬 章人 八段で「不利なときは戦線拡大」となった局面1

[図1]

上の [図1] は、2020年3月5日から6日にかけて行われた第69期王将戦七番勝負 第5局 渡辺 明 王将(三冠) vs 広瀬 章人 八段の対局で79手目に先手の渡辺王将が▲4六桂と銀取りに打った局面。対して△4五銀と逃げる手もあるが、▲3三歩~▲3四歩の攻めが分かりやすい。本譜は「不利なときは戦線拡大」で△1九角 ▲3八飛 △7五歩と進めた(下の [図2] )。
【将棋格言】第69期王将戦七番勝負 第5局 渡辺 明 王将(三冠) vs 広瀬 章人 八段で「不利なときは戦線拡大」となった局面2

[図2]

まずは△1九角と飛車取りに打って盤上の駒を増やし、4六の桂を跳ねたら角が自陣へ利いてくるようにしたうえで、△7五歩と突き捨てた。▲同歩 △同銀と活用されたくはないが、△7六歩と取り込まれるのも気持ちが悪いので、対応は悩ましい。
【将棋格言】第69期王将戦七番勝負 第5局 渡辺 明 王将(三冠) vs 広瀬 章人 八段で「不利なときは戦線拡大」となった局面3

[図3]

上の [図3] は、[図2] から進んで114手目に後手の広瀬八段が△8三香と打った局面。7筋は△7六歩~△7五桂が実現しており、先手玉もかなり危なくなっている。形勢は未だに先手が良いものの、勝負型になっており、この後に先手が間違えて逆転した。

「不利なときは戦線拡大」に関連する用語


 

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