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「形作り」の読み方
かたちづくり
「形作り」の説明
敗勢側の対局者が自玉に対する詰みや寄せの受けがない状態において、それを分かったうえで、相手玉に対して、王手をかけたり、詰めろや2手すきの攻めを行うこと。その後、お互いに攻め合ったことを少しでも分かりやすい見た目にして投了する流れとなる。
「形作り」をせずに受けの手を指せば手数が伸びることは多いが、駒をたくさん取られたり、相手玉の囲いがそのまま残ったりして、投了局面だけを見ると大差に見えてしまうことがある。良い勝負であったという思いを投了局面にこめる慣習である。
初心者のうちは、「形作り」にこだわることなく、詰まされるまで自玉を逃げ回って受けることが多い。しかし、強くなるにつれて、負けが分かるようになってくるので、自然と「形作り」をするようになる。
「形作り」の用例
「自玉が詰むのは分かっているが、形作りのために相手玉へ詰めろをかける。」
[図1]
上の [図1] は、
第30期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明 竜王 対 羽生善治 棋聖の対局で94手目に後手の羽生棋聖が△6八飛と打った局面。これで先手玉に必至がかかっている。後手玉に詰みはないので、投了も考えられるが、後手玉は金銀4枚でしっかりと守られている。実戦では▲6一飛 △5一金 ▲4三香 △同金 ▲5二角 △同玉 ▲4四桂 △同金 ▲5三銀打 △4一玉(下の [図2] )と進み、渡辺竜王が「形作り」をしてから投了した。
[図2]
「形作り」に関連する用語
堅い
金駒
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