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「禁じ手」の読み方
きんじて
「禁じ手」の説明
ルール上、反則となる手。
「禁じ手」は着手完了時点で指した側が負けとなる。ここで言う着手完了とは、指し手として動かした自分の駒から指が離れた瞬間のことであり、対局時計を使用している場合にボタンを押す前であったとしても反則は成立している。「禁じ手」の後は指された側が指摘をするか、あるいは指した側が反則を認めたうえで投了して対局終了となる。相手の手番で投了するのは原則としてマナー違反であるが、「禁じ手」の場合に限り問題ないため、気付いたらすぐに投了することが望ましい。
対局の決着は投了が最優先であるため、「禁じ手」の指摘で勝敗を決する権利は投了によって消滅する。つまり、「禁じ手」の後にしばらく指し続けてしまっても投了前に指摘すれば間に合う。尚、アマチュアの場合、「禁じ手」の指摘を記録者や観戦者がすることは助言の反則になる恐れがある。対して、プロの場合は棋譜が残るため、記録者や観戦者による指摘が認められており、その実例もある。
禁じ手の内容として、具体的には以下のようなものが挙げられる。
- 盤上で既に自分の「歩」がある筋(縦1列)に持ち駒の「歩」を打つ(いわゆる2歩<にふ>。この際「と金」は関係ない。)
- 盤上の駒を次に行き所のない状態にする(例えば1番上の段に歩を打つなど、盤上のマスへの利きが1つもないということ。穴熊の中の玉のように他の駒が周囲にいることだけが原因で一時的に動けないならば問題ない。)
- ルールと異なる駒の動かし方をする
- 成れない場所で駒を成る
- 王手を逃れていない(いわゆる王手放置)
- 自らの玉に王手がかかってしまう(いわゆる自爆)
- 手番でない側の着手(いわゆる2手指し。後手なのに初手を指してしまう場合も含まれる。)
- 持ち駒の歩を打って相手玉を詰め上げる(いわゆる打ち歩詰め。詰み手順の途中であれば歩を打って王手をかけても問題ない。)
- 連続で王手をかけ続けて千日手にする(詳細は千日手の用語説明を参照。)
上記以外にも反則となり得る指し手は考えられる。例えば、「取った駒を相手の持ち駒の中に置く」という事例が過去に奨励会で反則認定されている。このあたりはいちいち明文化されていないが、勝負を妨害するような行為は厳しく判定されることがほとんどである。
「禁じ手」の用例
「優勢だったが、禁じ手を指して反則負けになってしまった。」
「禁じ手」に関連する用語
切れる
銀ばさみ
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