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「金は斜めに誘え」の読み方
きんはななめにさそえ
「金は斜めに誘え」に関連する主な駒
「金は斜めに誘え」の出現頻度
★★☆☆☆
「金は斜めに誘え」の説明
金は斜め後ろに進むことができないため、斜め前に進むと1手では元の位置に戻れない。よって、相手の金を斜め上に動かすことができれば、相手の好形が崩れたままになって狙いを実現しやすくなる、ということ。
相手の金を斜め上に誘導するためには、金取りをかけるか、あるいは金の斜め上に捨て駒をすることが多い。結果的に、相手の金を斜め上に動かすことができなかったとしても、近くに拠点が残る点は大きなプラスである。金は囲いに使われることが多いので、相手の囲いを崩す際に重要な考え方の1つとなっている。
金については、他に「
金は引く手に好手あり」という格言もある。つまり、低い位置に金がいると好形になりやすく、逆に金が上ずると悪形になりやすい。もちろん、必ずしも一段金が最も良いという訳ではないので、格言の過信は禁物である。
「金は斜めに誘え」の例
[図1]
上の [図1] は、後手の高美濃がしっかりとしているようだが、▲7五歩と突いて、△同歩に▲7四歩と打つ(下図)。
[図2]
上の [図2] から、桂を逃げれば▲7三香と打ち込んで金駒を剥がすことができるし、△同金ならば「金は斜めに誘え」が実現して▲6三香と打つ攻め筋が生じる(下図)。
[図3]
上の [図3] では、飛車の利きがあるので△同銀と取ることはできないし、△7一金と逃げても▲6二香成とすれば、やはり金駒を剥がすことができる。
[図4]
上の [図4] は、2020年6月28日に行われた
第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 渡辺明 棋聖 対 藤井聡太 七段の70手目に後手の藤井七段が△7五桂と打った局面。先手は8七の金を逃げるしかないが、▲9七金と寄るのでは働きが悪く、後手の拠点も残ったままなので、▲7六金と歩を取るしかない。それが結果的に「金は斜めに誘え」となっており、8七の打ち込みが残っている先手玉はかなり危険な形となった。
「金は斜めに誘え」に関連する用語
「金は斜めに誘え」に関連する格言
金はとどめに残せ
銀は成らずに好手あり
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