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「頓死」の読み方
とんし
「頓死」の説明
最善手で対応していれば自玉が詰まなかった局面で、応手を間違えて詰まされてしまうこと。あるいは詰めろをうっかり見落としたために自玉が詰まされること。
特に、形勢が良かった方が、その状態になって勝ち負けが逆転する場合に使われる。
まれに玉を別の駒に置き換えて「飛車が頓死した」のように使われることはある。
「頓」という漢字は「頓挫(とんざ)=とまる」「整頓(せいとん)=ととのえる」のような多くの意味を持つが、ここでは「頓(とみ)=急」を意味している。つまり、一般用語として「頓死」は「急死」と同じ意味になり、「死」を「詰み」に置き換えて将棋用語として使われている。
「頓死」の用例
[図1]
上の [図1] は、2001年9月1日に行われた第14期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局「羽生善治 四冠 vs 木村一基 五段」の終盤。先手の羽生四冠が勝勢で、木村五段が最後のお願いとして△5六銀と王手をかけた局面。ここで▲7六玉や▲6六玉と指しておけば全く問題はなかったが、羽生四冠の指し手は▲6四玉!
唯一、詰んでしまう所へ玉が動いたため、△6五飛の1手詰めを食らって「頓死」した。この「頓死」によって、玉が完全に詰んでいる(=合法手がない)状態での投了となり、プロ棋士の対局としては珍しい終局図となった。
[図2]
上の [図2] は、2007年10月14日に放送された第57回NHK杯将棋トーナメント2回戦「羽生善治 王座・王将 vs 中川大輔 七段」の終盤。先手の羽生王座・王将が敗勢で、△1九竜と指せば中川七段の勝ちは揺るがなかったが、中川七段の指し手は、飛車を取る△2六歩。これで後手玉に17手詰みの変化が生まれてしまい、「頓死」して大逆転となった。
「頓死」に関連する用語
「頓死」に関連する格言
取る
投げる
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