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「捌く」の読み方
さばく
「捌く」の説明
盤上にある駒をうまく活用すること。
特に、一時的に使いづらい状態であった駒について、成り込んだり、交換したり、取らせて手を稼いだりする場合に使われる。対象になる駒としては飛車・角・桂が多い。
例えば、角道を止める振り飛車は序盤の駒組みの段階で飛車・角・左桂が前へ進みづらいため、中盤の仕掛けの後に相手陣へ成り込んだり、相手の駒と交換したりすると「捌いた(捌けた)」と言われることが多い。逆に、縦横に動き回っている横歩取りの飛車や、序盤早々の角交換に対して、その活用を「捌いた」と言うことはほとんどない。
また、自玉の囲いや相手玉から離れている駒で、それ自体の働きが見込めなくても、相手に取らせて手を稼ぐことができれば「捌いた(捌けた)」と言われる場合もある。
「捌き」は、特に振り飛車を指す場合に求められる指し方であり、振り飛車党のトッププロである久保利明(くぼとしあき)先生は「捌きのアーティスト」と呼ばれる。飛車や角を押さえ込まれないことはもちろんだが、左桂や左香まで攻めに活用できていることも多く、圧倒的に遊び駒が少ない。忙しい中盤戦でも、すべての駒に気を配り、活用するタイミングを常に計っているからこそできる高度な指し方である。
「捌く」の用例
「振り飛車は左桂を捌くことが大事。」
[図1]
上の [図1] は、2018年2月3日から4日にかけて行われた
第67期王将戦七番勝負 第3局 久保利明 王将 対 豊島将之 八段の対局で、97手にて後手の豊島八段が投了し、久保王将の勝ちとなった終局図。
先手で初期局面から動いていない駒は5七の歩1枚だけである(3七の歩は途中で打ったもの)。後手陣にそのまま桂香が残っていることと比較すると、先手は働かなかった駒がなく、きれいに「捌けている」ことが分かる。
もちろん、久保王将であっても、急戦で一部の駒が残るような展開になることはあるが、上記のように100手を超えない対局でもすべての駒をうまく働かせることが多く、「捌き」の技術に長けていることがよく分かる。
「捌く」に関連する用語
「捌く」に関連する格言
指す
三手角
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