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左美濃の基本形
下図が左美濃(ひだりみの)の基本形です。
最小構成として、玉と左銀と左金の配置が同じであれば左美濃と言えます。
振り飛車の場合は「片美濃」「本美濃」「高美濃」のように
細分化することもありますが、居飛車の場合は「左美濃」で呼び方が一律です。
例えば「左高美濃」のように言うことはまずありませんが、
居飛車でも「左」を付けないで「高美濃」のように言うことはあります。
(「居飛車だから当然左側に囲っている」と文脈の中で判断します。)
左美濃の特長
左美濃は主に
対抗形の居飛車側で現れる囲いです。
振り飛車側の本美濃と比較して、角がいるという違いがあり、
角がいるうちは、玉の
こびん攻めと
端攻めをある程度カバーできています。
(
角道を開けずに左美濃を組む場合もあります。)
囲いにかかる手数、金銀の連結、玉の遠さ・広さのバランスが良く、
場合によっては、銀冠や穴熊など、さらに堅い囲いに進展させることもできます。
左美濃の評価
標準手数 | 11 手 |
横の耐久力 | 80 /100 |
斜めの耐久力 | 65 /100 |
上部の耐久力 | 65 /100 |
端の耐久力 | 60 /100 |
玉の広さ | 80 /100 |
玉の遠さ | 80 /100 |
囲いやすさ | 80 /100 |
陣形バランス | 85 /100 |
囲いの進展性 | 85 /100 |
※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。
左美濃の前段階
舟囲いから深く囲い直すことが多いものの、
角道を開けないまま、左銀を真っすぐ上がり、その下に玉を移動する囲い方もあります。
左美濃からの進展
銀冠に組み替えれば、玉頭や角頭を守ることができます。
主な相手の囲い
相手もそれなりの手数をかけて、玉を深く囲っていることがほとんどです。
左美濃の主な弱点
堅くすると角が活用しづらくなる
左美濃は囲いを進展させると、高美濃の形になることも多いのですが、
下図のようになると、一時的に角があまり
利いていない状態となります。
終盤まで角がそのまま残ってしまうと戦力不足になりやすいため、
どこかで角を活用する必要があります。
そのために、角を引いて右側に移動させると、
引いた瞬間に隙が生じて仕掛けられやすく、
また▲6五歩(後手の場合は△4五歩)と突いて角道を開けると、
角がいなくなった後に玉の
こびんが開いた状態となります。
上記のような弱点を狙われないように、
中盤以降の角の活用を見越して、
序盤から相手の動きをよく見て
駒組みを進めることが重要になります。
桂を控えて打たれると受けづらい
左美濃は
角頭の歩に、盤上の駒を1手動かすだけで利きを足すことはできません。
つまり、下図のように桂を打たれてしまうと、次の桂跳ねを防ぐことができません。
相手の持ち駒に桂がある場合には、
桂打ちに備えて、自分の持ち駒に銀があるようにしておくことが無難です。
あるいは、桂を相手に渡す展開になる前に、
高美濃や銀冠に組み替えて、角頭を補強しておきます。