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「俗手の好手」の読み方
ぞくしゅのこうしゅ
「俗手の好手」に関連する主な駒
「俗手の好手」の出現頻度
★★☆☆☆
「俗手の好手」の説明
かなり複雑で候補手の多い局面でも、拠点に金駒を打ち込んだり、駒を取ったり、王手をかけたりするような分かりやすい手が最善になることはあるので、変に難しく考えすぎない方が良い、ということ。
様々な格言や手筋を覚えると実戦で見える候補手が多くなって迷うことがある。その結果、例えば単に駒を取れば良い局面で別の手を指してしまい、大した戦果が上がらないうえに駒を取り逃すようなことも出てくる。格言や手筋に合致した複雑な手順を見つけるとつい指したくなるが、「数を足す」「駒を取る」「王手をかける」のようなシンプルな手もプラスになり得るので、指し手の格好良さに惑わされずにしっかりと考えたい。
「俗手の好手」の例
[図1]
上の [図1] は、2020年2月8日から9日にかけて行われた
第69期王将戦七番勝負 第3局 渡辺明 王将 対 広瀬章人 八段の112手目に後手の広瀬八段が△3三同桂と応じた局面。
[図1] から本譜は▲3四歩と叩き、△同銀に▲1六角と打った。この手は飛車銀両取りで、かつ、▲3四角が実現すれば王手にもなるので味が良さそうに見える。しかし、△4八飛成~△2五桂とされると先手玉に詰めろがかかるうえに、1六に打った角の働きが悪くなるので、先手の駒得でも形勢は損ねている。
結果的に [図1] からは「俗手の好手」で▲2一角と打って王手をかける手が最善であった。△2二玉に▲4三金と打って後手玉付近に攻め駒を足していけば、後手の方が受けに苦労する展開となる。
「俗手の好手」に関連する用語
「俗手の好手」に関連する手筋
攻めるは守るなり
中段玉は寄せにくし
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