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「中段玉は寄せにくし」の読み方
ちゅうだんぎょくはよせにくし
「中段玉は寄せにくし」に関連する主な駒
「中段玉は寄せにくし」の出現頻度
★★☆☆☆
「中段玉は寄せにくし」の説明
玉が中段にいると広くなって逃げ道を確保しやすいうえに、詰ましたり寄せたりするのに適した駒が少なくなるため、比較的安全度が高まる、ということ。
「中段」は四~六段目を意味する。但し、それらの段と状況が同程度であれば、三段目や七段目が含まれることはある。相手玉が中段に逃げ出すと、玉が下がっても広いため、包囲するために必要な駒の数は多くなる。また、入玉されると寄せにくいどころか、寄らなくなる恐れもあるので、優先的に入玉を防ぐ必要も出てくる。さらに、相手陣に打った金や作った成駒は後ろに進みづらく、活用できたとしても手数がかかりやすい。
自玉の場合、王手をかけられて逃げる場所に迷ったら、この格言に従って上方向から考えると効率が良い。また、中段に味方の駒がいて、ある程度の安全が確保されていれば、中段へ早逃げをして入玉をチラつかせるような指し方も有力になりやすい。
相手玉の場合、「
玉は下段に落とせ」という格言に従って、なるべく中段へ逃がさないようにしたい。相手玉が中段にいて寄せが難しい場合は、入玉を防いだり、自玉の安全を確保したりすることの優先度が高まる。
「中段玉は寄せにくし」の例
[図1]
上の [図1] は、
第43期棋王戦五番勝負 第1局 渡辺明 棋王 対 永瀬拓矢 七段の対局で、112手目に後手の永瀬七段が△2四玉と上がった局面。形勢は先手が良いものの、「中段玉は寄せにくし」で、入玉による逆転まで狙っている。(図2へ続く)
[図2]
上の [図2] は、[図1] の後、攻防が続き153手目に渡辺棋王が▲1四角と打った局面。△同玉と取ると、▲2四金△同竜▲同馬で後手玉が詰んでしまう。手順に自陣まで利いている角を打つことができた。(図3へ続く)
[図3]
上の [図3] は、[図2] の後、攻防が続き173手目に渡辺棋王が4二にいた馬を▲1五馬に引いた局面。△同銀と取ると、2一の飛車の利きが2七まで通るため、▲1七歩△同玉▲1八飛で後手玉が詰んでしまう。手順に強力な馬を自陣に近づけることができた。(図4へ続く)
[図4]
上の [図4] は、[図3] の後、攻防が続き189手目に渡辺棋王が▲4九角と打って、後手の永瀬七段が投了した局面。以下、△6九玉▲7九金△5九玉▲6八銀のように詰みとなる。図1から投了まで正確な指し手が続いたものの77手もかかっている。「中段玉は寄せにくし」が実感できる。
「中段玉は寄せにくし」に関連する用語
「中段玉は寄せにくし」に関連する手筋
「中段玉は寄せにくし」に関連する格言
俗手の好手
敵の打ちたいところに打て
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