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「焦点の歩に好手あり」の読み方
しょうてんのふにこうしゅあり
「焦点の歩に好手あり」に関連する主な駒
「焦点の歩に好手あり」の出現頻度
★☆☆☆☆
「焦点の歩に好手あり」の説明
盤上で相手の複数の駒が利いているマスに歩を打てば、相手の好形を崩したり、駒の働きを弱めたりしやすい、ということ。
打った歩によって生じる直接的な目先の狙いとしては、「駒取り」「相手の駒の利きを遮る」「拠点作り」「と金作り」などが挙げられる。但し、焦点の歩においては、打った歩を盤上に残すことよりも、取らせることに重きが置かれる。よって、すぐに歩を取られるとしても、盤上に残った際の狙いは厳しい方が望ましい。
打った歩によって駒取りがかかる場合、「
叩きの歩」という手筋でもあり、好位置にいる相手の駒を動かして働きを悪くする効果が見込める。加えて、焦点の歩では周囲に相手の他の駒がいるので、ついでに連携を悪くしたり、利きを遮ったりできる可能性がある。つまり、叩きの歩よりも効果的になりやすい。
いずれにしても、相手としては歩を取るにしても、逃げるにしても、放置するにしても、候補手は多くなるので迷いやすい。よって、相手の持ち時間を減らすことに期待できるし、間違えてもらえる可能性も上がる。代償としては持ち駒の歩を1枚失うだけなので、比較的リスクの少ない攻め方である。
「
焦点の歩」という手筋と同様のことを言っている。
「焦点の歩に好手あり」の例
[図1]
上の [図1] は、2018年5月12日に行われた
第3期叡王戦決勝七番勝負 第3局の千日手局 金井 恒太 六段 vs 高見 泰地 六段の85手目に後手の高見六段が△6四香と打って王手をかけた局面。本譜は▲5八玉に△6六桂と跳ねた手が王手金取りとなったが、「焦点の歩に好手あり」で▲6六歩と打つ手があった。△同香は、今度こそ▲5八玉と引けば、香が邪魔で△6六桂と跳ねることができない。▲6六歩に対して、△同桂 ▲6八金となってからの開き王手の含みが少し複雑だが、正確に受ければ先手玉が寄らない形であった。
[図2]
上の [図2] は、2019年6月19日に行われた
第90期棋聖戦五番勝負 第2局 豊島 将之 棋聖 vs 渡辺 明 二冠の78手目に後手の渡辺二冠が「焦点の歩に好手あり」で△6六歩と打った局面。金取りなので手抜きはできないうえに、玉・角・金のどれで取っても、後手からの攻めが速くなる。本譜は▲6六同角と応じたが、△6五銀と打って、角取りをかけつつ、盤上に攻め駒を増やすことができた。
「焦点の歩に好手あり」に関連する用語
「焦点の歩に好手あり」に関連する手筋
終盤は駒の損得より速度
序盤は飛車より角
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