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解説動画
【訂正】第3局 141手目の第2候補手は「▲1二飛」ではなく「▲1二歩成」です。
叡王戦第2局
叡王戦第4局
対局情報
永瀬 拓矢 叡王<先手>
豊島 将之 竜王・名人<後手>
株式会社ドワンゴ
公益社団法人日本将棋連盟
(棋譜利用問い合わせ済み)
局面解説
7月19日に行われた第3局は、戦型が矢倉の脇システムとなり、
207手にて
持将棋が成立して引き分けとなりました。
終局図で点数を確認すると、2五の歩を後手が取り返したとして、
先手が28点、後手が26点です。
140手目:形勢判断と候補手
先手優勢:▲5一飛、▲1二歩成、▲9四玉、▲9二飛 など
第2局よりも差は小さいと言えますが、141手目までさかのぼったうえで、
まずは、この局面の形勢判断を行います。
駒割りは先手の2歩得で、
桂香の交換については、ほぼ損得無しと判断できます。
玉の安全度について、先手は
入玉が確定、
後手玉は二段目にいますが、周囲に脅威はほとんどないと言えます。
駒の働きは、概ね問題ありませんが、
お互いに馬の狭さが気になります。
よって、先手が負ける要素はないと判断できますが、
あとは後手の入玉に、どこまで対処できるかがポイントとなります。
本譜は▲9二飛と打ちました。
間接的に後手玉を狙っており、次に6二の歩を取ることもできますが、
△4五歩~△2六馬と逃げられつつ、後手の入玉が確定しました。
但し、既に、この段階で後手の入玉を阻止することは難しいため、
ここでは▲5一飛と馬取りに打って、少しでも忙しくしたうえで、
後手玉を狙うよりも、後手陣に残った駒を積極的に取りにいって、
31点を目指す方が勝ちの可能性があったと思われます。
入玉将棋は、相手の入玉阻止と点数勝負の切り替え判断が非常に難しいですね。
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