【将棋用語】
入玉宣言法

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「入玉宣言法」の読み方

にゅうぎょくせんげんほう

「入玉宣言法」の説明

概要

将棋の勝ち負け(あるいは無勝負)を決めることができるルールの1つで、勝ち負けの条件が「入玉及び点数」となるもの。
多くの場合、将棋は負けている側の投了によって勝ち負けが決まるが、「入玉宣言法」では勝っている側が勝ち負けを決めるという珍しい決着パターンとなる。
「入玉宣言法」は、さらに27点法と24点法の2つの規定がある。アマチュア大会では27点法が採用されていることが多いが、プロの公式対局では24点法が採用されている(2013年10月1日以降)。
「入玉宣言法」のルールができるまで、投了・詰み・千日手・反則以外で決着をつける方法は、お互いの合意が必要な「持将棋」のみであった。しかし「合意が得られない」あるいは「相入玉の状態で非常に大きな駒損をしている側が投了しない」のような場合に対局がなかなか終わらないという問題があった。「入玉宣言法」でも「持将棋」となる場合があるうえに、お互いの合意によって「持将棋」にできるルールも残っているので少しややこしいが、「入玉宣言法」では、勝ち負けを決めることもできるうえに、条件を満たした側の権利であるという点で大きく異なる(他の違いは後述)。

ルールの適用方法

このルールを対局で適用するためには、手番の対局者が手を指さずに「宣言します」と言い、対局時計を使用している場合には時計を止める(対局相手の同意は不要)。その時点で対局は終わりとなり、再開されることはない。
宣言は権利であるため、行使を保留して指し続けることもできる。「入玉宣言法」は条件が複雑なうえに、どれだけ勝勢でも負けと判定される恐れもあるため、しっかりと時間をかけて慎重に確認することが望ましい。

勝ちの条件(27点法)

27点法においては、宣言をした側が以下の条件を「すべて」満たしている場合に勝ちとなる。
  • 宣言側の玉が敵陣三段目以内に入っている
  • 宣言側の玉以外の駒が敵陣三段目以内に10枚以上存在する
  • 宣言側に王手がかかっていない
  • 宣言側の持ち駒と敵陣三段目以内にいる駒の点数(大駒5点、小駒1点、玉0点)の合計が、先手の場合は28点以上、後手の場合は27点以上ある

勝ち・引き分けの条件(24点法)

24点法においては、上記27点法の「宣言側の持ち駒と敵陣三段目以内にいる駒の点数」についての規定のみ異なり、31点以上であれば宣言側が勝ち、24点以上30点以下であれば持将棋、となる。持将棋の場合は先後入れ替えで指し直しとなることが多いものの、対局規定によっては引き分け扱いになることもある。

宣言側の負け

条件を1つでも満たしていない場合、宣言した側の負けとなる。
点数に含まれるのは「持ち駒と敵陣三段目以内にいる駒」であり、「持将棋」と数え方が異なるので注意したい。最も複雑な将棋のルールであるが、採用している場合には必ずその旨と条件が明記されている。大会などでは事前にしっかりと確認しておく必要がある。

暫定施行ルール

2019年10月1日より、プロの公式戦において、手数が500手に達した時点で「持将棋」が成立することとなった(暫定施行)。但し、その段階で王手がかかっている場合は連続王手が途切れた時点で「持将棋」が成立する。これに伴い、500手に満たない場合でなければ「入玉宣言法」を適用できないこととなった。

「入玉宣言法」の用例

「相入玉で超手数の混戦となったが、入玉宣言法の適用により勝ちとなった。」

「入玉宣言法」に関連する用語

「入玉宣言法」に関連する格言


 

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