【将棋用語】
打ち歩詰め

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「打ち歩詰め」の読み方

うちふづめ

「打ち歩詰め」の説明

持ち駒の歩を打って相手玉を詰ますこと。ここで言う「詰ます」とは、相手が合法手で王手を回避できない状態になっていることを指す。よって、詰み手順の途中で持ち駒の歩を打って王手をかけることは該当しない。
「打ち歩詰め」はルールで禁じ手と定められており、指したら反則負けとなる。この場合、「玉を詰まされている方が勝っている」という珍しい終局図となる。尚、盤上にある歩を突いて相手玉を詰ますこと(突き歩詰め)は反則ではない。
駒の枚数が飛び抜けて多い「歩」は、終盤で持ち駒にある確率が非常に高い。それをトドメに使えなくすることで、必然的に詰みの難易度が上がっており、将棋に更なる奥深さが生まれている。特に詰将棋では、このルールに着目して、攻め方が「打ち歩詰め」を回避するために、あえて大駒を成らなかったり、玉方が「打ち歩詰め」に誘導するような合駒や不成で詰みを凌いだりする手順が含まれていることがある。実戦では、まれに変化の1つとして現れるが、前に進む持ち駒が歩しかないというギリギリの状況であることから、いい勝負であることが多い。
「打ち歩詰め」が禁じ手となった理由は諸説あるが、最下級の足軽兵が、寝返ってすぐに元の主である大将を討つということは武士道に反する、という説が有力である。

「打ち歩詰め」の用例

【将棋用語】「打ち歩詰め」となる基本的な部分図

[図1]

上の [図1] は、「打ち歩詰め」の基本的な部分図。▲1二歩と打てば、相手は合法手で王手を回避できないため詰みであるが、その最終手で持ち駒の歩を打っているため「打ち歩詰め」となり、相手玉が詰みの状態ではあるが、歩を打った方の反則負けとなる。尚、ここでは▲1三歩と打つような手が有力である。もちろん、これは王手でないため、全く問題ない。そして、相手に持ち駒がなければ▲1二歩成が受からないため、必至となる(盤上の歩を使って詰ますこと自体は何ら問題ない)。
【将棋用語】「打ち歩詰め」を回避する必要がある詰将棋

[図2]

上の [図2] は、「打ち歩詰め」の変化がある詰将棋。初手は開き王手をするしかない。持ち駒がないので▲3二飛成としたいが、△3三金と角を取られた局面で、▲1二歩と打つと「打ち歩詰め」となり反則なので不正解である。ここは初手に▲3二飛不成として、△3三金 ▲1二歩 に△2一玉と逃げられるスペースを開けておく。そこで▲3一金とすれば詰みである。大駒を成らないことで駒の働きを抑えて、相手玉の逃げ道をあえて確保した結果、「打ち歩詰め」を回避する珍しい手筋である。
【将棋用語】「打ち歩詰め」ではなく「突き歩詰め」で相手玉を詰ます局面

[図3]

上の [図3] は、先手が1六にいる歩を1五に進めれば、後手玉は詰みである。これは持ち駒の歩を打った訳ではないため「打ち歩詰め」には該当せず、先手の勝ちとなる。尚、この場合は「突き歩詰め(つきふづめ)」のように言われる。

「打ち歩詰め」に関連する用語


 

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