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中原囲いの基本形
下図が中原囲い(なかはらがこい)の基本形です。
最小構成として、左金・右金・右銀の配置が同じであれば中原囲いと言えます。
中原囲いの特長
中原囲いは主に相居飛車横歩取りの後手番で現れる囲いです。
右金を一段目に配置しているのがポイントで、バランスを保ちつつ、
相手からの飛車の打ち込みに対して、粘りやすい形となっています。
横歩取りは、後手が主導権を握って攻めていくので、
短手数で金銀の連携と玉の堅さをある程度確保できるという点は理にかなっています。
攻めの主力は
大駒や桂になりますが、必然的に大駒交換が起こりやすいので、
飛車の打ち込みに強い一段金は損になりにくいと言えます。
相手がどこから攻めてくるかは展開次第ですが、
玉は左右のどちらへも逃げ出すことができるので、
突破された後にも比較的柔軟に粘ることができます。
中原囲いの評価
標準手数 | 6 手 |
横の耐久力 | 60 /100 |
斜めの耐久力 | 65 /100 |
上部の耐久力 | 65 /100 |
端の耐久力 | 65 /100 |
玉の広さ | 80 /100 |
玉の遠さ | 65 /100 |
囲いやすさ | 90 /100 |
陣形バランス | 80 /100 |
囲いの進展性 | 40 /100 |
※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。
中原囲いの前段階
短手数で完成する囲いですので、他に名前の付いた囲いを経由することはありません。
中原囲いからの進展
横歩取りは戦いが激しくなりやすいので、
ほとんどの場合で組み替える余裕はありません。
主な相手の囲い
急戦に備えて、相手も短手数でバランス重視の陣形となっていることが多いです。
中原囲いの主な弱点
争点となる可能性の高い筋から玉が近い
相手は
居飛車なので、左側の金銀が狙われやすい状態となっていますが、
やはり、どこかで突破されることは避けられません。
そして争点の近くに玉がいるので、逃げ遅れた場合に
簡単に詰まされたり、駒をボロボロと取られたりする恐れがあります。
薄い囲いに対して、全般的に言えることですが、
相手の攻め筋を見極めて、常に逃げ出すタイミングを計っておくことが重要です。
右辺に大駒を打ち込まれる隙が多い
中原囲いは、中住まいと比較をすると玉と金銀が、
全体的に1マスずつ左にズレており、右辺は飛車の
利きでカバーしています。
よって、自分の飛車が別の
筋へ転回したり、交換になったりすると、
下図のように右辺へ
大駒を打ち込まれて、香を取られやすい形となります。
左銀を叩かれて飛車を打ち込まれる
左金と左銀が低く構えているのは良い形ですが、
下図のように銀の頭に
歩を叩かれるだけで、簡単に崩されてしまいます。
特に、相手の持ち駒に飛車がある場合、
上図からどのように対応しても、△8九飛と
打ち込まれてしまいます。
※実戦では相手の持ち駒が多いので、▲同金が成立することはほとんどありません。
左香を吊り上げられると両取りがかかりやすくなる
相手の持ち駒に桂と歩があり、
下図のように端を突き合っている場合、
相手が端を突き捨てて、香の頭を叩くだけで、
下図のように桂打ちによる両取りがかかります。
といった対応をあらかじめ意識して、
相手の端攻めに合わせた速度で攻めを準備しておく必要があります。