【将棋格言】
三歩持ったら端に手あり

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「三歩持ったら端に手あり」の読み方

さんぷもったらはしにてあり

「三歩持ったら端に手あり」に関連する主な駒

「三歩持ったら端に手あり」の出現頻度

★★★★

「三歩持ったら端に手あり」の説明

持ち駒に歩が3枚あれば相手陣の端を崩すことができる、ということ。
三歩持ったら継ぎ歩と垂れ歩」という格言から、より確実性の高い端に絞っている。
端は香や桂で守っていることが多いものの、どちらも後ろに戻ることができない。そのため、端歩の突き捨てから、叩きや垂らしによって香や桂を上ずらせようとすれば、形が悪くなって攻めやすくなる。
中盤以降で持ち駒の歩が増えてきた場合に、相手玉の近くや中央付近からの仕掛けが難しいようであれば、端から仕掛けてみたい。相手玉に近い端で攻めが続けば良いが、場合によっては相手玉から遠い端を攻めて相手の攻撃陣にプレッシャーをかけることもある。
持ち駒の歩の枚数について、端攻めが成功する目安は3枚であるが、2枚でも十分に成立する可能性はある。尚、4枚以上も歩を持っている状況だと、端以外で多くの駒がぶつかってきたことになるので、端攻めの速さが求められる。

「三歩持ったら端に手あり」の例

【将棋格言】「三歩持ったら端に手あり」となる部分図1

[図1]

上の [図1] は、居飛車の部分図。攻め駒が少ないので何もなさそうに見えるが、先手の持ち駒に歩が3枚ある。ここは「三歩持ったら端に手あり」で▲1五歩と突く手が成立する。後手は△同歩と取るが、▲1三歩と垂らすのが継続手(下の [図2] )。
【将棋格言】「三歩持ったら端に手あり」となる部分図2

[図2]

1三の歩を放置すると▲1五香~▲1二歩成と攻め込むことができる。△同桂は▲1四歩と打てば桂が捕まっているので、取るならば△同香だが、▲1四歩とさらに香を吊り上げて、▲2四歩 △同歩 ▲同飛と進む(下の [図3] )。
【将棋格言】「三歩持ったら端に手あり」となる部分図3

[図3]

これで△2三歩と打たれても▲1四飛と香を取ることができるし、1筋からの飛車の成り込みを防ぐこともできない。最初に歩が多く必要ではあるものの、厳しい攻め筋である。
【将棋格言】「三歩持ったら端に手あり」となる部分図4

[図4]

上の [図4] は [図2] から△同香 ▲1二歩と進んだ部分図。次の▲1一歩成が受からず、2一の桂や1三の香を と金で取る狙いがある。端攻めには、吊り上げた香を直接狙うだけでなく、香の裏を狙う手順もある。尚、後手から他に速い攻めがあると、▲1三歩の垂らしを手抜きされる恐れがある。その場合は、歩が1枚多く必要になるが、▲1三歩の前に▲1二歩と直接叩くことで端攻めのスピードアップを図ることができる。
【将棋格言】第68期王将戦七番勝負 第3局 久保利明 王将 対 渡辺明 棋王で「三歩持ったら端に手あり」とされた手を指した局面

[図5]

上の [図5] は、2019年2月6日から7日にかけて行われた第68期王将戦七番勝負 第3局 久保利明 王将 対 渡辺明 棋王の49手目に先手の渡辺棋王が▲9五歩と突いた局面。「三歩持ったら端に手あり」は攻めとして成立する可能性がより高い表現となっているため、実際は持ち駒が2歩でも成立する場合はある。本譜は、現状で先手が1歩しか持っていないが、直後に3五の歩を取ることで1歩を補充できることを見越している。9筋からは先手玉の方が後手玉よりも1マス遠い位置にいるため、端攻めによる反動が少なく、後手が△9五同歩と応じるしかないこのタイミングで▲9五歩と突くのが最善であった。
このように実戦における端攻めのタイミングは非常にシビアである。早すぎると、端をそのまま逆襲されたり、歩をたくさん渡すことで相手の攻め筋が増えたりする。そして遅すぎると、突いた端歩を(同歩と取らずに)手抜きされてしまう恐れがある。

「三歩持ったら端に手あり」に関連する用語

「三歩持ったら端に手あり」に関連する手筋

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