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天守閣美濃の基本形
下図が天守閣美濃(てんしゅかくみの)の基本形です。
最小構成として、玉と左金と左銀の配置が同じであれば天守閣美濃と言えます。
天守閣美濃の特長
天守閣美濃は主に
対抗形の居飛車側で現れる囲いです。
左美濃と比較して、玉が角の1マス上にいるという珍しい形となっています。
角を初期位置から移動する手を省いているうえに、角の利きを通したままなので、
比較的安全に玉を深く囲うことができます。
余裕があれば、下図のように右銀を玉の右横に引き付けたり、高美濃にしたりして、
堅い囲いにすることもできます。その場合、角は引いて使うことが多いです。
横から攻められた場合の金銀の防御力は
左美濃と同等ですが、
そこが崩された後でも、あらかじめ中段玉となっているため、
有効な
王手や
詰めろがかかりにくくなっています。
天守閣美濃の評価
標準手数 | 11 手 |
横の耐久力 | 90 /100 |
斜めの耐久力 | 65 /100 |
上部の耐久力 | 50 /100 |
端の耐久力 | 65 /100 |
玉の広さ | 80 /100 |
玉の遠さ | 75 /100 |
囲いやすさ | 90 /100 |
陣形バランス | 75 /100 |
囲いの進展性 | 60 /100 |
※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。
天守閣美濃の前段階
原則として、
舟囲いから組み替えます。
天守閣美濃からの進展
さらに深く囲いつつ、弱点である
玉頭を手厚くする場合があります。
主な相手の囲い
様々な囲いが考えられますが、銀冠に組まれてしまうと自玉が狙われやすくなるので、
早めに仕掛けるか、上部からの仕掛けに備えておく必要があります。
天守閣美濃の主な弱点
上部からの攻めに弱い
天守閣美濃は
玉頭を玉1枚でしか守っておらず、また相手陣に近いため、
狙われやすいうえに、
拠点を作られやすいです。
例えば、下図のように、角の
睨みがある状態で歩を突かれるだけでも困ります。
上図の状態から▲同歩は△8六歩~△8七銀のように食いつかれてしまいますし、
角や銀の応援を送ってもやや手遅れで、玉が露出してしまいます。
攻め合いの形ができてない状態でこのように攻められてしまうと、
玉形の差が大きくなりすぎてかなり勝ちづらいです。
玉頭を狙われそうな場合は、あらかじめ右銀を玉の右隣りまで引き付けるか、
端玉銀冠のように、玉をさらに深く囲います。
玉のこびん攻めに弱い
天守閣美濃は玉の
こびんが狙われやすい状態です。
下図のように角の
睨みがある状態で歩を突かれるだけでも、対応に困ります。
相手が角を持ち駒にしている場合も同様で、
こびんをこじ開けてられてしまうと、角打ちによる
両取りなどが生じやすくなります。