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ミレニアム囲いの基本形
下図がミレニアム囲い(みれにあむがこい)の基本形です。
(単に「ミレニアム」と言われることが多いです。)
他に「トーチカ(とーちか)」や「かまぼこ囲い(かまぼこがこい)」と
言われることもあります。最小構成として、玉・左銀・左桂の配置が同じで、
他に2枚か3枚の
金駒が連結して配置されていればミレニアム囲いと言えます。
ミレニアム囲いの特長
ミレニアム囲いは、原則として
対抗形における居飛車側の囲いです。
同様の形をした囲いで「
菊水矢倉(しゃがみ矢倉)」と呼ばれるものもありますが、
そちらは相居飛車で用いられた場合の名称となります。
ミレニアム囲いは藤井システム対策として優秀な囲いの1つであり、
相手の角の
利きから玉を避けつつ、相手の右桂を使いづらくしています。
また、中終盤で横から攻められることも想定し、
玉の右隣には金または銀を配置して、耐久力を高めています。
ミレニアム囲いは振り飛車側が
居飛車穴熊を警戒している場合に、
その組みやすさを生かして、代わりの囲いとして採用されることが多いですが、
穴熊に近い万能の耐久力と遠さがあります。
ミレニアム囲いの評価
標準手数 | 18 手 |
横の耐久力 | 90 /100 |
斜めの耐久力 | 90 /100 |
上部の耐久力 | 90 /100 |
端の耐久力 | 90 /100 |
玉の広さ | 60 /100 |
玉の遠さ | 90 /100 |
囲いやすさ | 60 /100 |
陣形バランス | 65 /100 |
囲いの進展性 | 50 /100 |
※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。
ミレニアム囲いの前段階
早い段階で
舟囲いを経由することは多いですが、
そこから先、まだまだ手数はかかります。
ミレニアム囲いからの進展
銀冠に組み替えることはできますが、
相手の角の
利きの脅威は増すので、低いままで構えておいた方が良い場合もあります。
主な相手の囲い
振り飛車側からの早い仕掛けに警戒してミレニアム囲いにしている部分も有るので、
しっかりと囲っていないことが多いです。
ミレニアム囲いの主な弱点
序中盤の指し方が難しい
ミレニアム囲いは、自玉が相手の角から狙われにくく、
相手からの早い仕掛けが難しくなるため、組み上げる途中までは比較的容易です。
しかし、対抗形では終盤で横から攻撃される可能性が高く、
それに備えるためには右銀を囲いに引き付ける必要があります。
すると、攻撃陣が少なくなって、居飛車側からの仕掛けが難しくなります。
端が狙われやすい
ミレニアム囲いは
金駒4枚の堅陣ですが、
端から攻められてしまうと、多くの駒が働かないどころか、
玉の逃げ道を塞ぐ邪魔駒となる恐れがあります。
例えば、下図のような形から、
△9五歩 ▲同歩と
突き捨ててから△9七歩と
垂らして、
▲同銀に△同角成といきなり角を
切ります(下図)。
上図からは▲同香と取るしかありませんが、△9六歩(下図)と
叩けば、
▲同香には△8四桂や△9七歩のような攻め筋があり、かなり嫌な形になります。
歩や桂を渡すと端攻めが生じやすくなりますので、
こちらから攻める際にはあらかじめ意識しておくことが重要です。
上部からの攻めに対しては菊水矢倉と同様
ミレニアム囲いは菊水矢倉と比較して右銀が加わった形です。
つまり、上部からの攻めに関しては菊水矢倉と同様の弱点があります。
詳細は菊水矢倉のページをご覧ください。