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銀矢倉の基本形
下図が銀矢倉(ぎんやぐら)の基本形です。
最小構成として、金銀3枚の配置が同じであれば銀矢倉と言えます。
銀矢倉の特長
銀矢倉は原則として居飛車の囲いです。
銀矢倉は銀2枚が三段目に並んでいる形が良く、
上部や斜めからの攻めに対して柔軟に対応できる囲いとなっているため、
特に角交換が行われた相居飛車の戦型において真価を発揮します。
形は
金矢倉と似ていますが、戦い方はだいぶ異なります。
その主な理由としては、右銀が所定の位置に移動するまで4手かかることと、
囲いに参加していない右金だけでは攻めに使いづらいことが挙げられます。
銀矢倉は角換わり腰掛け銀のような戦いから変化して、
右銀を引き付けることで、結果的に銀矢倉が組み上がることが多いです。
矢倉戦で最初から狙って銀矢倉に組む戦い方は、
第45期棋王戦第1局 渡辺明 棋王 対 本田奎 五段の実戦解説をご覧ください。
銀矢倉が組み上がった後は、右金で陣形のバランスを取りながら、
少しずつ陣形を盛り上げていくか、相手に攻めさせて反撃を狙う指し方が合っています。
銀矢倉の評価
標準手数 | 14 手 |
横の耐久力 | 75 /100 |
斜めの耐久力 | 80 /100 |
上部の耐久力 | 80 /100 |
端の耐久力 | 70 /100 |
玉の広さ | 80 /100 |
玉の遠さ | 80 /100 |
囲いやすさ | 65 /100 |
陣形バランス | 80 /100 |
囲いの進展性 | 50 /100 |
※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。
銀矢倉の前段階
最初から銀矢倉を目指した場合でも、戦いの流れの中で組み上がった場合でも、
他に名前の付いた囲いを経由することはほとんどありません。
まれに、
雁木で仕掛けが難しくなった場合に、
玉の遠さと堅さを確保するために銀矢倉へ組み替えることはあります。
銀矢倉からの進展
動き方の難しい戦いになることが多いため、組み替えることは少ないです。
右銀を前線に繰り出して、囲いを薄くするようなことはあります。
主な相手の囲い
矢倉模様の堅い囲いか、玉が薄くてバランス重視の陣形が考えられます。
銀矢倉の主な弱点
攻めの主導権を握りづらい
銀矢倉は囲いに参加していない
金駒が「金」になりますが、
「銀」よりも攻めに向いていません。
(「
攻めは銀、受けは金」と言われています。)
よって、下図のようにバランス重視の陣形で待機したうえで、
相手を揺さぶりながら、多少は攻めてもらう必要があります。
相手の攻め筋を限定したり、反撃のタイミングを見計らったりする必要があるため、
有段者向けの難しい指し方が求められます。
右銀の右隣に隙あり
銀は左右に移動することができないため、右銀の右隣は駒の
利きがありません。
そして、そこは下図のように相手の桂が跳ねてくると、
そのまま成り込まれてしまうマスでもあります。
中央の三段目は角や桂の連携で攻められやすいので、
それらを活用させないように押さえ込んでおくことが重要です。