将棋入門~駒の共通ルール~

講座目次

駒に関する共通ルール

8種類の駒はそれぞれ違う動き方をしますが、
すべての駒に共通した様々なルールを説明します。

文章にすると少し長いのですが、1度指してみると分かりやすいものばかりです。
理解できない部分があっても、とりあえず一通り読んで、知っておいてください。

①駒は1マスに1枚まで

将棋盤の1つのマスには1枚までしか駒を置くことができません。

②盤上で動かすのは自分の駒だけ

駒は置いてある向きで自分の駒と相手の駒を判断します。
そして盤上を動かすことができる駒は自分の駒だけです。

対局中に相手の駒に触るのは、その駒を取って自分の持ち駒にする場合と、
駒の位置がズレていたり、傾いていたりするのを直す場合だけです。

尚、盤上で駒の向きを変えることはありません。
相手の駒の向きを変えて自分の駒にしたり、
自分の駒の向きを変えて相手の駒にしたりすることはできません。

③盤の外に出ることはできない

盤の端のマスから外に出ることはできません。
勝手に持ち駒にしてもいけません。

④相手の駒は取って進む

自分の駒が進む先のマスに相手の駒がある場合には、
その相手の駒を取って、自分の持ち駒として盤の外に移動させたうえで、
そのマスに自分の駒を進めます。
相手の駒を取らなかったり、駒を重ねたりすることはできません。

相手の駒は取って進む

⑤自分の駒は取ることができない

自分の駒があるマスには進むことができません。
自分の駒を取ったり、駒を重ねたりすることはできません。

⑥複数マスを進める駒は好きな分だけ進める

飛車(竜)・角(馬)・香は1手で複数のマスを進むことができますが、
必ずしも突き当たりまで進む必要はありません。
1マスでも2マスでも、好きな分だけ進むことができます。

⑦複数マスを進める駒は駒を飛び越えることができない

飛車(竜)・角(馬)・香は1手で複数のマスを進むことができますが、
途中にある駒を飛び越えることはできません。
途中にある駒が相手の駒ならば(相手の駒を取って)そのマスまで、
自分の駒ならば(取ることができないので)その1マス前までとなります。

複数マスを進める駒は駒を飛び越えることができない

尚、桂は当てはまりません。1つ前方のマスは飛び越えます。
進む先のマスに駒がないか、あるいは相手の駒がある場合に進むことができます。

桂は駒を飛び越えることができる

⑧自分の持ち駒は打つことができる

相手の駒を取って自分の持ち駒となった駒は、
自分の駒として、好きな手番で、盤上の空いているマスへ打つことができます。

但し、行き所のないマスには打てません(後述)。

⑨同じ筋に歩は1枚まで

「歩」を打つ場合に限った特殊なルールです。
同じ筋(縦の列)に、既に自分の「歩」がある場合には打てません。

同じ筋に歩は1枚まで

同じ筋に自分の歩が2枚あることを「二歩(にふ)」と言います。
2枚目の歩を打った時点で反則負けとなります。
(「と金」ならば関係ありません。)

⑩歩を打って玉を詰ましてはいけない

これも「歩」を打つ場合に限った特殊なルールです。
持ち駒の歩を打って相手玉を詰みの状態することはできません(打ち歩詰めの禁止)。

足軽が、元の主(あるじ)を寝返った瞬間にとどめを刺すということが
「武士道に反する」など言った説があります。

尚、歩以外の持ち駒を打って相手玉を詰ますことや、
盤上の歩を突いて(1マス進めて)相手玉を詰ますこと(突き歩詰め)は
問題ありません。

⑪移動元か移動先が敵陣ならば成ることができる

将棋盤は、自分から見て手前3段が自陣、奥3段が敵陣です。
(最初に駒が配置されているエリアです。)

将棋盤の自陣と敵陣

自分が動かした駒の移動元か、または移動先が敵陣ならば
その手に限り、その駒を成る(なる)ことができます。
あくまで権利ですので、成るか成らないかは基本的に対局者の自由です。

「成る(なる)」ためには駒を裏返します。
駒は成ると動き方が変わります。

但し、玉と金は裏に何も書いていません。
それらは成ることができません。(裏返してもいけません。)

⑫1度成った駒は表に戻れない

1度駒を成ると、その成駒を盤上で元に(表に)戻すことはできません。
成ることは権利ですので、成るか成らないかは慎重に考えましょう。

1度成った駒は表に戻れない

⑬相手の成駒を取っても、打つ時は表に戻る

相手の成駒を「取る」ことについては、成っていない駒と変わりません。
但し、その持ち駒を打つ時には表に戻ります。
つまり、相手の成駒を取ったからと言って、いきなり成駒として打つことはできません。

⑭行き所のない駒があってはならない

盤上で動くことができないように駒を移動したり、打ったりすることはできません。
具体的には以下のようになります。
  • 敵陣1段目の歩
  • 敵陣1段目の香
  • 敵陣2段目以内の桂
盤上の駒を進めて上記3つの状態になる場合は、必ず駒を成らなければいけません。
(移動先が敵陣3段目以内なので、必ず成ることができます。)

行き所のない駒

自分の駒で囲まれているような場合、
次の手で囲まれている(内側の)駒を動かすことはできません。
しかし、囲んでいる(外側の)駒をどかせば、
囲まれていた(内側の)駒が動けるようになります。
これは、ルール上の「行き所のない駒」には当たりません。


ここまでは8種類の駒の動き方と、すべての駒に共通したルールを説明してきました。
次ページで、それ以外の将棋のルールも説明します。


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