【将棋格言】
桂頭の玉、寄せにくし

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「桂頭の玉、寄せにくし」の読み方

けいとうのぎょくよせにくし

「桂頭の玉、寄せにくし」に関連する主な駒

「桂頭の玉、寄せにくし」の出現頻度

☆☆☆☆

「桂頭の玉、寄せにくし」の説明

玉を相手の桂頭に逃げると、桂が邪魔をして頭金のような詰み筋はなくなるため、比較的安全である、ということ。
特に桂で王手をかけられて玉を逃げる場合、下段に引くよりは相手の桂頭を目掛けて斜め前に進んだ方が良いことが多い。玉が相手の駒に向かっていくのは基本的に危ないが、桂の頭が丸いことをうまく利用している。但し、桂頭にいる玉に対して、桂の利きである斜め下から角や銀を打たれてしまう状況だと、王手をかけられつつ、自玉の周囲に攻め駒を増やされてしまう恐れもある。
尚、角も頭が丸い駒であるため、同様の理由で「角頭の玉」が一時的に安全になることはある。

「桂頭の玉、寄せにくし」の例

【将棋格言】第65期王座戦五番勝負 第1局 羽生善治 王座 対 中村太地 六段で「桂頭の玉、寄せにくし」となった局面

[図1]

上の [図1] は、第65期王座戦五番勝負 第1局 羽生善治 王座 対 中村太地 六段で、83手目に中村六段が▲6六玉と上がった局面。後手の理想としては、6五に金駒を打つような手を狙いながら、先手玉の上部を押さえていきたい。しかし、桂がいるので6五に駒を打てず、桂が動くこともできない。6五の桂は▲7七玉や▲5七玉を防いではいるものの、先手玉を詰ましやすくすることへの直接的な働きは少ない。まさに「桂頭の玉、寄せにくし」となっている。
【将棋格言】第69期王将戦七番勝負 第3局 渡辺明 王将 対 広瀬章人 八段で「桂頭の玉、寄せにくし」とされた手を指した局面

[図2]

上の [図2] は、2020年2月8日から9日にかけて行われた第69期王将戦七番勝負 第3局 渡辺明 王将 対 広瀬章人 八段の86手目に後手の広瀬八段が△6五桂と打った局面。先手としては、次に△7七金と打たれてしまうと、玉を下段に落とされるうえに、成桂を作られてしまうので、受けが難しくなる。本譜は「桂頭の玉、寄せにくし」で▲6七玉と上がった。これで△7七金には▲6六玉と桂を取って、上部に脱出することができる。

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