[図1]
上の [図1] は、先手が後手玉に有効な詰めろをかけるならば▲4三金となる。後手が3二の金取りを受けるためには△3一金と打つしかないが、▲3二金 △同金 となると [図1] と同じ形(2回目)になる。この後、▲4三金 △3一金 ▲3二金 △同金 ▲4三金 △3一金 ▲3二金 △同金で、同一局面が4回現れたので「千日手」成立となる。尚、▲3二金と指した手は王手だが、▲4三金は王手ではないので「連続王手の千日手」には当たらない。[図2]
上の [図2] で、先手が▲3一角成と指すと、後手は△3三玉と上がる。先手は後手玉に2四と4四から逃げられないようにするためには、▲4二馬と引くしかないが、△2二玉 ▲3一馬 とすると最初に角を成った形に戻る(2回目)。以下、△3三玉 ▲4二馬 △2二玉 ▲3一馬 △3三玉 ▲4二馬 △2二玉 ▲3一馬で、同一局面が4回現れたので「千日手」成立となる。しかし、先手の手順において「▲4二馬」も「▲3一馬」もすべて王手なので「連続王手の千日手」となり、3回目に▲3一馬と指した時点(同一局面が4回)で先手が反則負けとなる。[図3]
上の [図3] は、2018年5月12日に行われた第3期叡王戦決勝七番勝負第3局 金井六段vs高見六段 千日手局の94手目に後手の高見六段が△4四歩と突いた局面。ここから▲3一飛 △4三玉 ▲4一飛成 △4二飛 ▲同竜 △同玉という手順が3回繰り返された(下の図4)。[図4]
上の [図4] は、 [図3] と同一局面である。112手で「千日手」成立となり、先後入れ替えで指し直しとなった。尚、94手目は「△4四歩」で112手目は「△4二同玉」という指し手の違いがあるが、手順は考慮しないこととなっている。[図5]
上の [図5] は、2019年4月10日から11日にかけて行われた第77期名人戦七番勝負 第1局 佐藤天彦 名人 対 豊島将之 二冠の「千日手」成立局面。58手目が指された時刻は1日目の午後3時2分であったが、名人戦の対局規定では「1日目の午後3時以降に千日手になった時は2日目に1日指し切りで行う」こととなっていたため、2日制の対局にも関わらず封じ手がないという珍しい事態になった。当初、作戦ミスで時間を多く消費していた先手の佐藤名人が、リカバリーのために、後手の豊島二冠の持ち時間を確実に減らすことを目的として、午後3時を回るまで「千日手」成立を待っていたのではないか、と言われていた。しかし、両対局者共に規定の詳細を把握しておらず、1日目に指し直すものと考えていたようである。尚、「千日手」成立から1日目の終局時刻である午後6時半までの時間(208分)については、折半して両者の残り時間からそれぞれ引かれた。- スポンサーリンク -
初級詰将棋(1手詰) | ||||
---|---|---|---|---|
第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 | 第5問 |
第6問 | 第7問 | 第8問 | 第9問 | 第10問 |
第11問 | 第12問 | 第13問 | 第14問 | 第15問 |
第16問 | 第17問 | 第18問 | 第19問 | 第20問 |
第21問 | 第22問 | 第23問 | 第24問 | 第25問 |
第26問 | 第27問 | 第28問 | 第29問 | 第30問 |
第31問 | 第32問 | 第33問 | 第34問 | 第35問 |
第36問 | 第37問 | 第38問 | 第39問 | 第40問 |
- スポンサーリンク -