[図1]
上の [図1] は、第30期竜王戦七番勝負第4局 渡辺竜王vs羽生棋聖で、84手目に後手の羽生棋聖が△3六桂と打った局面。先手玉の左側には後手の金が、上部には後手の飛車と歩が、そして右側には後手の桂が利いており、先手玉が包囲され、まさに「玉は包むように寄せよ」のお手本通りの寄せとなった。[図2]
上の [図2] は、2018年8月29日から30日にかけて行われた第59期王位戦七番勝負 第5局 菅井竜也 王位 対 豊島将之 棋聖の119手目の局面。後手玉は不安定な状態であるが、4筋→5筋→6筋と逃げられてしまうと、広いのでなかなか捕まらない。先手の菅井王位は「玉は包むように寄せよ」で▲8三角と打ち、左右挟撃態勢を整えた。[図3]
上の [図3] は、2018年1月13日から14日にかけて行われた第68期王将戦七番勝負 第1局 久保利明 王将 対 渡辺明 棋王の98手目に後手の久保王将が△8四同玉とした局面。先手は持ち駒が多いものの、▲8五歩 △8三玉 ▲8四銀 △7二玉 ▲8三金 △6一玉のように上から王手をしていくと後手玉を6筋~5筋へ逃がしてしまい、4二の金が受けに利いてきて寄せ切れない。先手の渡辺棋王は「玉は包むように寄せよ」で▲6二角と打ち、後手玉を逃がさずに寄せ切った。[図4]
上の [図4] は、2020年1月25日から26日にかけて行われた第69期王将戦七番勝負 第2局 渡辺明 王将 対 広瀬章人 八段の96手目に後手の渡辺王将が△2四歩と飛車を取った局面。ここで▲3二金のように、盤面右側から王手をかけてしまうと△5二玉~△6二玉と広い方へ逃げられてしまう。本譜は「玉は包むように寄せよ」で▲6二銀と打った。▲5三金、▲5一銀打、▲7三銀成という狙いがあるため、後手の受け切りは困難となっている。相手玉が広く、かつ、自分の持ち駒に小駒しかない場合は、早い段階で先回りしておくことが重要である。- スポンサーリンク -
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