【将棋格言】
玉は包むように寄せよ

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「玉は包むように寄せよ」の読み方

ぎょくはつつむようによせよ

「玉は包むように寄せよ」に関連する主な駒

「玉は包むように寄せよ」の出現頻度

★★★★★

「玉は包むように寄せよ」の説明

相手玉に対しては、すぐに王手をかけるよりも、優先的に逃げ道を封鎖しておいた方が寄せやすくなる、ということ。
相手玉を逃がしてしまうと、元の場所に攻め駒が残ってしまう恐れがあるうえに、今いる場所で詰ますための駒が新たに必要となるため、戦力不足に陥りやすい。必ずしも、王手が悪いという訳ではないが、少ない攻め駒でより確実に相手玉を寄せるための大原則である。
尚、王手をかけすぎて、相手玉を逃がしてしまった場合は、「王手は追う手」という格言が該当することになる。

「玉は包むように寄せよ」の例

【将棋格言】第30期竜王戦七番勝負第4局 渡辺竜王vs羽生棋聖で「玉は包むように寄せよ」に従った手を指した局面

[図1]

上の [図1] は、第30期竜王戦七番勝負第4局 渡辺竜王vs羽生棋聖で、84手目に後手の羽生棋聖が△3六桂と打った局面。先手玉の左側には後手の金が、上部には後手の飛車と歩が、そして右側には後手の桂が利いており、先手玉が包囲され、まさに「玉は包むように寄せよ」のお手本通りの寄せとなった。
【将棋格言】第59期王位戦七番勝負 第5局 菅井竜也 王位 対 豊島将之 棋聖で、「玉は包むように寄せよ」となった局面

[図2]

上の [図2] は、2018年8月29日から30日にかけて行われた第59期王位戦七番勝負 第5局 菅井竜也 王位 対 豊島将之 棋聖の119手目の局面。後手玉は不安定な状態であるが、4筋→5筋→6筋と逃げられてしまうと、広いのでなかなか捕まらない。先手の菅井王位は「玉は包むように寄せよ」で▲8三角と打ち、左右挟撃態勢を整えた。
【将棋格言】第68期王将戦七番勝負 第1局 久保利明 王将 対 渡辺明 棋王で「玉は包むように寄せよ」とされた手を指した局面

[図3]

上の [図3] は、2018年1月13日から14日にかけて行われた第68期王将戦七番勝負 第1局 久保利明 王将 対 渡辺明 棋王の98手目に後手の久保王将が△8四同玉とした局面。先手は持ち駒が多いものの、▲8五歩 △8三玉 ▲8四銀 △7二玉 ▲8三金 △6一玉のように上から王手をしていくと後手玉を6筋~5筋へ逃がしてしまい、4二の金が受けに利いてきて寄せ切れない。先手の渡辺棋王は「玉は包むように寄せよ」で▲6二角と打ち、後手玉を逃がさずに寄せ切った。
【将棋格言】第69期王将戦七番勝負 第2局 渡辺明 王将 対 広瀬章人 八段で「玉は包むように寄せよ」とされた手を指した局面

[図4]

上の [図4] は、2020年1月25日から26日にかけて行われた第69期王将戦七番勝負 第2局 渡辺明 王将 対 広瀬章人 八段の96手目に後手の渡辺王将が△2四歩と飛車を取った局面。ここで▲3二金のように、盤面右側から王手をかけてしまうと△5二玉~△6二玉と広い方へ逃げられてしまう。本譜は「玉は包むように寄せよ」で▲6二銀と打った。▲5三金、▲5一銀打、▲7三銀成という狙いがあるため、後手の受け切りは困難となっている。相手玉が広く、かつ、自分の持ち駒に小駒しかない場合は、早い段階で先回りしておくことが重要である。

「玉は包むように寄せよ」に関連する用語

「玉は包むように寄せよ」に関連する手筋

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