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片矢倉の基本形
下図が片矢倉(かたやぐら)の基本形です。
最小構成として、金銀3枚の配置が同じであれば片矢倉と言えます。
片矢倉の特長
片矢倉は原則として居飛車の囲いです。
基本的には相居飛車で矢倉模様となる場合に用いられますが、
まれに、
対抗形で用いられることもあります。
片矢倉は
金矢倉と比較して、玉と二段目の金が1マスずつ右にズレた配置になっており、
玉の移動にかける1手分を省略しつつ、金銀の連結が良い囲いです。
程々の堅さとバランスで早く囲うことができるので、攻めの主導権を握りやすいです。
自らが急戦を狙う場合だけでなく、相手の急戦に対応する場合に組むこともあります。
片矢倉の評価
標準手数 | 13 手 |
横の耐久力 | 65 /100 |
斜めの耐久力 | 75 /100 |
上部の耐久力 | 65 /100 |
端の耐久力 | 50 /100 |
玉の広さ | 85 /100 |
玉の遠さ | 70 /100 |
囲いやすさ | 85 /100 |
陣形バランス | 90 /100 |
囲いの進展性 | 40 /100 |
※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。
片矢倉の前段階
相居飛車の場合、短手数で組み上がる囲いなので、
原則として、他に名前の付いた囲いを経由することはありません
但し、相居飛車で
土居矢倉にて手詰まりになって堅さを求める場合や、
対抗形で
ボナンザ囲いから上部に厚みを求める場合に組み替えることはあります。
片矢倉からの進展
早めに仕掛けていくことが多いため、組み替えることは少ないです。
主な相手の囲い
片矢倉に組むことが相手に伝わると、
早めの仕掛けを警戒して、反撃の準備を急ぐことが多いです。
片矢倉の主な弱点
玉の下に隙あり
片矢倉は玉の下のマスが空いており、かつ、玉以外の駒の
利きがありません。
下図のように相手に一段飛車を打たれてしまい、
かつ、相手の持ち駒に金や飛車があるだけで、いきなり寄り筋になる場合があります。
相手の棒銀を止めることが難しい
片矢倉は下図のように相手の右銀が進出してくるだけで、かなりの脅威となります。
以降、下図のように端攻めを絡めてくる場合もあります。
他の矢倉でもお馴染みの銀の出方ですが、片矢倉は端が薄いので尚更厳しくなります。
また、下図のように、端を絡めないで歩を
突き捨てながら攻めてきても、
相手の飛車先に備えている駒が少ないので、
相手の銀を追い返すことができず、棒銀成功のうえに、囲いを乱されてしまいます。
片矢倉の棒銀対策は「
棒銀で攻められる前にこちらから攻める」となります。
囲いに手数をかけていない分、その余裕はあるはずなので、
あとは相手の動きに注目しながら、積極的に仕掛けます。
香を吊り上げられてしまうと端がガラ空き
片矢倉は、玉や
金駒の
利きが
端にありません。
相手の持ち駒に歩が多い場合には、簡単に香を吊り上げられてしまい、
生じた隙に駒を打ち込まれてしまいます。
例えば、下図のように飛車を打たれてしまうと、王手香取りで
駒損になるうえに、
以降は端を簡単に突破されてしまいます。
広さが長所でもある片矢倉で、端への逃げ道がなくなるという点も痛いです。
また、下図で飛車に代えて、
歩を垂らされるだけでもかなり嫌な攻め筋です。
早い段階で相手に歩を渡し過ぎないようにしつつ、
どこかで
手抜きをして攻め合いに持ち込むことが重要です。