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銀冠穴熊(居飛車)の基本形
下図が居飛車における銀冠穴熊(ぎんかんあなぐま)の基本形です。
最小構成として、玉・左香・左桂・左銀の配置が同じであれば銀冠穴熊と言えます。
銀冠穴熊(居飛車)の特長
銀冠穴熊(居飛車)は主に
対抗形の居飛車側で現れる囲いです。
穴熊の弱点である
端を
手厚く守り、全方向からの攻めに備えています。
また、
終盤において、囲いの金銀を
剥がされた後でも、
多少の空間は確保されているので、玉を逃げる余地があります。
銀冠からも
穴熊からも組み替えることができるため、
お互いに仕掛けが難しい
持久戦となった場合には、実現しやすい囲いです。
銀冠穴熊(居飛車)の評価
標準手数 | 16 手 |
横の耐久力 | 95 /100 |
斜めの耐久力 | 90 /100 |
上部の耐久力 | 95 /100 |
端の耐久力 | 90 /100 |
玉の広さ | 30 /100 |
玉の遠さ | 95 /100 |
囲いやすさ | 50 /100 |
陣形バランス | 55 /100 |
囲いの進展性 | 30 /100 |
※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。
銀冠穴熊(居飛車)の前段階
銀冠から隅に潜るか、あるいは、穴熊から上部を手厚くして組み替えます。
銀冠穴熊(居飛車)からの進展
右銀を引き付ければ
ビッグ4(居飛車)になります。
主な相手の囲い
相手もそれなりに堅い囲いとなっているはずです。
銀冠穴熊(居飛車)の主な弱点
銀の頭を狙われやすい
銀冠穴熊(居飛車)は、穴熊(居飛車)よりも上部に
手厚いのですが、
四段目に着目すると、
金駒では左銀の
利きしかありません。
この四段目のうち、銀の1マス前方は、歩で攻めた時に銀取りとなるため、
相手の持ち駒に歩がある場合に狙われやすい場所となります。
例えば、下図のように歩の
突き捨てをされるだけでも対応に困ります。
この歩を取って、
銀頭に歩を打たれてしまうと、銀の逃げ場がありません。
銀頭の位置には、相手が角を利かせやすいことも、狙われる一因となっています。
上図のようになると、銀を逃がすことはできても、
拠点を作られてしまうことは避けられません。
さらに相手が歩を複数枚持っていたり、金駒や桂香を持っていたりすると、
どんどん打ち込まれて、あっという間に銀冠穴熊を薄くされてしまいます。
そもそも上図のようになる前に、早めに対応しておくことが重要ですが、
上図のようになったとしても、すぐに詰まされる訳ではないので、
攻め合いに持ち込むことができれば、十分に勝機はあります。
右金を剥がされると一気に弱体化する
一般的に、相手の斜めからの攻撃を緩和するためには、
その斜めのラインに角や銀を配置しておいた方が強いのですが、
銀冠穴熊(居飛車)の場合、玉から斜め右上方向には金1枚(左金)しかいません。
そして、この金に玉以外で
紐を付けているのは、右金だけです。
よって、下図のように右金を囲いから離される状況になると、対応に困ります。
上図の と金は取るしかありませんが、△7九銀と打たれてしまうだけで、
堅いはずの銀冠穴熊に、いきなり
詰めろがかかってしまいます。
相手の角が自玉を睨んでいる場合には、角を右金の1マス前方に残しておくか、
ビッグ4に組み替えるなどして、斜め右上方向に少し手厚く受けておいた方が無難です。
バランスに関しては穴熊(居飛車)と同様
詳細は穴熊(居飛車)のページをご覧ください。