【将棋格言】
香を持ったら歩の裏を狙え

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「香を持ったら歩の裏を狙え」の読み方

きょうをもったらふのうらをねらえ

「香を持ったら歩の裏を狙え」に関連する主な駒

「香を持ったら歩の裏を狙え」の出現頻度

★★☆☆☆

「香を持ったら歩の裏を狙え」の説明

持ち駒の香を相手の歩の向こう側へ打てば、相手は香の利きを受けるために歩を打つことができないので厳しい手になりやすい、ということ。
香打ちに対して、歩以外を使って利きを遮断する受け方は意外と難しい。香を打ち返す受けは、香交換後に再度香を打たれて手順に形を崩される恐れがある。また、桂打ちによる受けは、香取りにならないので相手に手番を握られたままとなる。そして、銀以上に価値の高い駒だと、交換されて駒損が大きい。つまり、歩と歩以外の受けでは大きな差があるため、相手の歩の向こう側(相手から見て歩の後ろ)は絶好の香打ち場所になり得る。もちろん、相手が香の利きに歩を打ってしまうと二歩の反則である。
相手が と金作りなどを狙って、自陣近くに歩を垂らしたタイミングは香打ちの狙い目であるが、それ以外だと、突き捨てや継ぎ歩などによって相手の歩を上ずらせておく必要がある。相手の歩は五段目だと比較的分かりやすい。それよりも自陣に迫っていると、次に歩を成ることで歩打ちによる受けが生じる点に注意が必要となる。
歩の裏へ香を打つ主な狙いとしては「駒取り」「相手玉の逃げ道を塞ぐ」「成香作り」などが挙げられる。そして、いずれにおいても、香を打たれた側が狙いを解消しづらい、という点は同じである。
尚、この格言では触れていないが、相手が歩切れの場合も同様の理由で香打ちが厳しくなりやすい。この場合、香の打ち場所が限定されないので実現しやすくもある。

「香を持ったら歩の裏を狙え」の例

【将棋格言】第3期叡王戦決勝七番勝負第4局 金井六段vs高見六段で「香を持ったら歩の裏を狙え」が好手であった局面

[図1]

上の [図1] は、第3期叡王戦決勝七番勝負第4局 金井六段vs高見六段の138手目の局面。ここで後手は「香を持ったら歩の裏を狙え」で△5四香と打ちながら、先手玉に詰めろをかける手が非常に厳しかった。5三に先手の歩がいるため、▲5五歩や▲5六歩のような手が二歩となり打てない。本譜は△4三金打としたため、難しい変化はあるものの、一気に逆転した。
【将棋格言】第32期竜王戦七番勝負 第3局 広瀬章人 竜王 対 豊島将之 名人で「香を持ったら歩の裏を狙え」とされた手を指した局面

[図2]

上の [図2] は、2019年11月9日から10日にかけて行われた第32期竜王戦七番勝負 第3局 広瀬章人 竜王 対 豊島将之 名人の89手目に先手の豊島名人が「香を持ったら歩の裏を狙え」で▲3四香と打った局面。後手としては3五に歩があって△3三歩と打てないため、嫌な攻め筋である。

「香を持ったら歩の裏を狙え」に関連する用語

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