[図1]
上の [図1] は、相手の角が間接的に先手玉へ利いており、次に△3六桂と打たれるこびん攻めが厳しい。桂打ちによる王手を避けて▲3九玉や▲1八玉では位置が悪いので将来的に危なくなりやすい。先手は持ち駒がないので、玉が2八のままでは受けづらそうに見えるが、「大駒は近づけて受けよ」で▲4六歩と突く手がある(下の [図2] )。[図2]
上の [図2] から△同角と呼び込み、空いた4七へ金を上がるのが手筋の受けとなる(下の [図3] )。[図3]
上の [図3] では、△3六桂を防ぐことができているし、角取りにもなっている。相手は角を逃げるしかないが玉の安全を確保した状態で手番を握ることができた。[図4]
上の [図4] は、2018年8月22日から23日にかけて行われた第59期王位戦七番勝負 第4局 菅井竜也 王位 対 豊島将之 棋聖の97手目の局面。後手の角がよく働いているため、先手としてはそれを抑えたい。ここで、先手の豊島棋聖は「大駒は近づけて受けよ」で▲4四歩と打った。( [図5] に続く)[図5]
上の [図5] は、[図4]から先手が▲4四歩と打った局面。この歩はタダなので、△同角と取るが…。( [図6] に続く)[図6]
上の [図6] は、[図5]から△4四同角に対して▲5五銀と打った局面。この銀で次に角を取ることができるようになっているため、後手は角取りの対処をしなければならない。もし、[図4] で▲4四歩と打たないで、いきなり▲5五銀と打つと角取りになっていないので、その差は明白である。- スポンサーリンク -
将棋解説 |
---|
実戦解説一覧 |
- スポンサーリンク -