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へこみ矢倉の基本形
下図がへこみ矢倉(へこみやぐら)の基本形です。
最小構成として、金銀3枚の配置が同じであればへこみ矢倉と言えます。
へこみ矢倉の特長
へこみ矢倉は原則として居飛車の囲いです。
相居飛車の角替わりや、角交換振り飛車で現れることが多いです。
へこみ矢倉は金2枚を二段目で並べて配置しており、
特に、横からの攻めに対する耐久力が高い囲いとなっています。
また、囲う途中であまり隙が生じないので、
急戦になりそうな場合でも、様子を見ながら自玉を堅くすることができます。
へこみ矢倉の評価
標準手数 | 11 手 |
横の耐久力 | 80 /100 |
斜めの耐久力 | 55 /100 |
上部の耐久力 | 70 /100 |
端の耐久力 | 70 /100 |
玉の広さ | 75 /100 |
玉の遠さ | 75 /100 |
囲いやすさ | 85 /100 |
陣形バランス | 80 /100 |
囲いの進展性 | 60 /100 |
※弊サイト独自の評価です。戦型や局面によって変動しますし、点数の合計が大きいからと言って必ずしも優れているということではありません。あくまでも目安としてお考えください。
へこみ矢倉の前段階
角交換後、自陣に角打ちの隙が生じないようにバランスを取りつつも、
少しずつ右金を寄せることで、結果的に組み上がることが多い囲いです。
へこみ矢倉からの進展
角交換になっていることが多く、隙が生じてしまうと仕掛けられてしまうため、
ここから手数をかけて組み替えるということはなかなか難しいです。
対抗形で双方の仕掛けが難しくなった場合は、
穴熊に組み替えて、玉の遠さを確保することもあります。
主な相手の囲い
相手も隙を生じさせないような
駒組みをしているはずなので、
駒のかたよった陣形であることは少ないです。
へこみ矢倉の主な弱点
銀の位置を動かされやすい
へこみ矢倉は
金矢倉と比較して、右金が二段目に下がっているため、
上部及び斜めからの攻撃に対しては銀1枚で対応しなければなりません。
組みあがった時の銀は良い位置なのですが、
下図のように歩の
突き捨てから
叩きが入るだけで、
銀が動かざるを得ず、弱体化します。
斜めから角で睨まれると弱い
相手の角に斜めから
睨まれていると、
下図のように歩を
突き捨てられるだけでも困ります。
次に歩を取り込まれても、あるいは▲同歩と取って銀の
頭に歩を打たれても、
▲同銀と取り返すことができないため、簡単に
拠点を作られてしまいます。
相手の角が斜めから利いている場合には、
玉が入城せずに右下(先手7九、後手3一)のマスで待機する方が良いでしょう。
相手の右桂が跳ねやすい
へこみ矢倉は6筋(後手の場合は4筋)の歩を突いていない場合があるため、
相手の右桂が跳ねやすい状態になっています。
例えば下図のような状態から、
歩を
突き捨てて、桂を
跳ねる(下図)と、さらに
銀当たりとなります。
この桂跳ねは中央への攻めに利いてきますし、
相居飛車の場合、銀を逃げると相手が飛車を使いやすくなります。
跳ねてきた桂を歩で取り切れれば良いのですが、なかなかその余裕がありません。